「もし、自分が同じ立場に立ったら……」と考えさせられる作品はたくさんあります。
今回紹介する映画『人魚の眠る家』は、答えを出すのが難しいタイプの作品です。原作は、人気作家・東野圭吾さんの同名ベストセラー小説。どのキャラクターの目線で観ても、涙が溢れます。
映画『人魚の眠る家』
愛する娘に訪れた悲劇
播磨和子(篠原涼子)と和昌(西島秀俊)は、娘の瑞穂(稲垣来泉)の小学校受験が終わったら離婚する予定の、いわゆる“仮面夫婦”という関係。そんな夫婦に、ある日突然悲劇が訪れます。
プールで溺れた瑞穂が意識不明となり、昏睡状態に。脳外科医の進藤(田中哲司)から回復の見込みなしと告げられてしまうのです。脳死の可能性は高いものの、脳死判定をするかどうかは、夫婦の意思に委ねられます。一度は決心したものの、奇跡を信じたい薫子は、待つことを選びます。夫の和昌も奇跡にかけてみることにしたのですが……。