出産を控えた職場の同僚や先輩・後輩が産休に入るとき、あなたの職場ではプレゼントを贈りますか? または、お世話になった先輩や仲よくしていた同僚、取引先の女性などに個人的にプレゼントをあげた(あげたい)という人もいるかもしれません。 この機会に、産休の女性へプレゼントを贈る時の基本的なマナーや喜ばれるアイテムなどについて、みんなの意見を聞いてみたいと思います。
産休に入る女性へのプレゼント「する」「しない」それぞれの理由は?
まずは、そもそも職場で産休に入るタイミングでプレゼントを贈る職場はどのくらいあるのでしょうか?何人かの働くママにインタビューしてみました。
「私の職場は産休育休制度が整っているため、9割以上の女性が産後職場復帰します。二人目・三人目と出産する人も多いので、産休に入る時はいちいちプレゼントはしないですね。個人的には、産休に入る少し前にちょっとおしゃれなお店を予約してランチをごちそうしたりします」Tさん(34歳・百貨店フルタイム勤務)
「うちの部署では出産を機に退職する女性も多いので、出産前の最終の出社日は退職のあいさつとなり、職場一同から花束を贈ることが多いです。出産祝いは個人的に仲の良かった女性どうしで贈っています。」(Iさん・29歳・商社派遣勤務)
「私はパートで、子どもができてから入社していますし、周りもそういう人ばかり。また、結婚前に働いていた会社では、誰かが産休に入ったという経験がないので、もし今後そういう場面になったらどうしたらいいのかちょっと悩みますね。特に、そのまま退職される場合、自宅の住所まで知らないので、臨月で退職する時に出産祝いを渡してしまっていいものか…」(Yさん・32歳・スポーツ用品販売店パート勤務)
産休に入る女性へプレゼントを贈る時のマナーや注意点は?
産休に入る時点でプレゼントするのなら、出産・ベビー関連のものではなく、本人にとって役立ちそうなもの・使ってもらえそうなものを贈るのが基本です。
「赤ちゃんグッズは無事生まれてから」が常識
アメリカなどでは、出産前に女性の友人が集まりベビー用品などを贈る「ベビーシャワー」という慣習がありますので、絶対にダメということではありませんが、日本では古くから赤ちゃん用品は出産後、お七夜またはお宮参りが済んでから…という地域がほとんど。
もちろん、知らずにベビー用品を贈っても、心のこもったものであれば「非常識」などと思われることはないと思います。
しかし、妊娠の経過が順調でない場合などは妊婦さんの不安を強めたりプレッシャーに感じさせてしまう可能性がありますし、年配の親族の中には「縁起が悪い」ととらえる人もいますので、いずれにしても避けた方が良いでしょう。
妊娠中の敏感な体調にも配慮して
香りの強いもの、肌に直接つけるもの(ボディクリーム、入浴剤など)も、よほど愛用品が分かっているならともかく、一般的には避けた方が無難です。
妊娠中は匂いに敏感になったり、香りの好みも変化します。 特に、アロマオイル(精油)は、ジャスミン・ゼラニウムなど、子宮の収縮を促すため妊娠中は禁忌となっているものもありますので注意が必要です。
同じく妊娠中は肌が敏感になりがち。使い慣れないクリームなどは肌荒れやかぶれの心配もあります。
「消えるもの」はおすすめだけど、内容には注意して
出産後にお祝いを贈る予定があるのなら、産休に入る時点では、お返しの心配がいらない金額のプレゼントを…と考える人も多いでしょう。 そこでおすすめなのは、お花や飲食物など「消える(後に残らない)もの」ですが、こちらもいくつか注意するべきポイントがあります。
まず、紅茶・コーヒーなどは、毎日のリラックスタイムにぜひ楽しんでほしいものですが、カフェインレス・ノンカフェインのものを選ぶようにしましょう。 「紅茶派かコーヒー派か」は、学生時代の友人でもしばらく会っていないと意外と分からないこともありますが、毎日のように一緒に過ごし、好みが分かっている同じ職場のメンバーならではの気の利いたプレゼントになるでしょう。
食べ物の場合、添加物や遺伝子組み換え原料使用の有無、生まれてくる赤ちゃんにアレルギーが出ないよう乳製品や卵のとりすぎに気を使っている妊婦さんもいるかもしれませんし、見た目は問題なさそうに見えても医師から体重制限の指導をされているかもしれません。
日頃の会話でそのような話題が出ているのであれば、食品は避けるか、配慮した内容のものを選ぶようにしましょう。
産休前の最後の出社日に、職場一同で花束を贈る…といったシチュエーションも思い浮かびますが、花束もあまり大きいものだと自宅に合うサイズの花瓶がない可能性も。そのまま飾れるフラワーアレンジメントの方が、妊婦さんに毎日の水替えなどの手間をかけず親切です。 もし、気心の知れた相手であれば、欲しいものを聞いてみるのも喜ばれるかもしれませんね。
先輩ママたちが「もらってうれしかった」喜ばれる産休プレゼントは?
産休を取る時にプレゼントとしてもらったもので嬉しかったものは?と先輩ママに聞いてみました。
「足が冷えるといけないので、自分でもモコモコの靴下を購入してあったのですが、プレゼントで有名なブランドのものをいただき、丈夫な上に肌触りがよくてうっとりしました」
「自身も二人出産経験のある先輩から、着圧ソックスを贈ってもらいました。ちょうど妊娠後期のむくみが気になる時期だったので、さっそくありがたく使わせていただきました」
と、ソックス系は大人気のようです。
さらに 「厚手の靴下だとむくみもあってか靴が入らなくなってきて…そんな時期に産休に入り、職場の友人がレッグウォーマーをプレゼントしてくれたのですが、これならお腹が大きくなってくる臨月でもそのままで靴がはける!すごく助かりました」 という声も。
ソックス類は消耗品なのでいくらあっても迷惑になりにくいですし、肌が敏感になっている妊婦さんのため、品質や肌触りがよいものをプレゼントすると喜ばれそうですね。
「肌触りのいいフェイスタオルと、安産のお守りをセットでいただきました。電車を乗り継いで行かないといけない有名な神社のものだったので、その気持ちにジーンときてしまいました」 と話すママもいました。
お守りは宗派などを気にする人もいますし、お礼参りの手間などもあって、一般的には身内でなければ避けた方が良いという意見もありますが、このように喜ばれることも多いようです。
でも、「一番うれしかった」という声が多かったのは…やっぱり、「あたたかい言葉やメッセージ」だそう!
中でも「母子ともに健康で」「元気な赤ちゃんの誕生を祈っています」といった、妊婦さんや赤ちゃんの無事を気遣うメッセージや、「職場に戻られる日を待っています」といった働く仲間としての暖かいメッセージに励まされたという妊婦さんはとてもたくさんいました。
まとめ
産休に入る女性へのプレゼントについては、職場や相手との関係、年齢などによって見方が変わるため、一概にこれが良い・悪いと決められるものではありません。 「ここまでお仕事お疲れさま」といったねぎらいや、「体をいたわって無事出産を迎えて下さい」という励ましの気持ちがこもったプレゼントなら、きっとどのようなものでも喜ばれるのではないでしょうか。 時代とともにベストな贈り物の形も変わっていきますが、「相手の身になって考える」ことは忘れずにいたいですね。
文/高谷みえこ