日常を五感で味わうことの大切さ

 

砂浜で語らう黒木華と多部未華子
©2018「日日是好日」製作委員会

 

典子の20歳からの20数年が描かれていますが、特別大きな事件は起きません。もちろん、大切な人との出会いや別れ、就職での挫折もあったりします。しかし、典子は焦ることなく割とのんびりと歩いているように見えます。そこには典子なりのこだわりがあったりするのも見どころのひとつです。

 

縁側で語らう樹木希林と黒木華
©2018「日日是好日」製作委員会

 

お茶に魅せられた主人公ですが、それに気づくのはだいぶ後のこと。典子の人生で出会うもののひとつが茶道なのです。つまずいたり、悩んだり、そんなタイミングで人生において大切なものを教えてもらう、典子にとっての茶道とはそういう存在です。

 

茶の指導をする樹木希林と教えをこう黒木華
©2018「日日是好日」製作委員会

 

毎日を忙しく過ごしていると、見過ごしてしまうことも多くあります。ふと立ち止まって、例えば雨の音に耳を澄ましてみる。同じ雨でも季節によって音に違いがあることに気づきます。典子も水の音の違いに気づくことで、日常の一瞬一瞬を五感で味わうことの大切さに気づきます。