森下典子のロングセラー人気エッセイ『日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』の映画化作品『日日是好日』(にちにちこれこうじつ)。20歳でお茶を始めた女性の、20数年の人生を描いた作品です。
主人公のお茶の師匠を演じているのは、9月に亡くなられた樹木希林さん。「茶道」と聞くとちょっとかしこまってしまいますが、この作品は、身も心もふわっと軽くしてくれる優しい物語です。
映画『日日是好日(にちにちこれこうじつ)』
母親のすすめでお茶を始める主人公
黒木華演じる大学生の典子は、まじめで不器用な性格。それがコンプレックスでもあるのですが、母親のすすめで、多部未華子演じるいとこの美智子と一緒に茶道教室に通い始めます。
軽い気持ち、半ばノリで来てみた教室なので、もちろん作法などまったくわからない2人。お茶の飲み方さえ知らず、座り方、畳の歩き方、ふくさの畳み方や障子の開け方など、すべての作法に戸惑います。ぎこちない動きの2人に樹木希林演じる武田先生はゆっくりと語りかけます。
「お茶は先に形を作り、そこに心が入るものなの」と。ここから典子のお茶との人生が始まります。そして、いつも傍には武田先生の寄り添う姿があるのです。