萬斎さん「いろいろなところが映像に残ってしまう(笑)」
狂言はライブパフォーミングアーツなので、こうして映像として形に残ることはないものと前置きした萬斎さんは「形に残ることをうれしいと思う反面、いろいろなところが映像として残ってしまうという諸刃の剣」と笑みを浮かべます。しかし、パフォーマンスがさらに進化していく中で、良い形で残ることはありがたいとも語っていました。
伝統芸能である狂言をどのように伝えていきたいか? という質問に対して、「料理に例えるとわかりやすいですね」とコメントする萬斎さん。続けて「レシピは同じでも食べる人によって味付けは変わります。我々は型(レシピ)を伝承しつつ、観客(食べる人)によってアップデートしていきます。大切なことは中身である”精神性”が伝わることです。パリの劇場では現地の人に向けて公演しました。外側にこだわるよりも、(狂言の)本質をうまくその時代に合わせて伝えていくことが必要だと考えています」分かりやすく説明してくれました。