父と息子は隔世遺伝。真面目なところが似ている?!

 

DSC05760
伝統芸能の継承について分かりやすく語ってくれた萬斎さん

 

この日のイベントでは観客の質問にも答えてくれた萬斎さん。「万作さんと裕基さんに嫉妬する部分はありますか?」という質問に、「父と息子は隔世遺伝なのか、とても似ていると思うことがあります。私はいい加減な人なのですが(笑)父と息子は非常に真面目、生真面目ですね」と返答し笑いを誘います。

 

さらに「父が長生きするのはとてもありがたいことなのですが、それだけハードルが上がるんです。なので、嫉妬というよりは困るという気持ちが強いです」と笑みを浮かべます。「父は自我も型も無くなり、仏教用語でいう“解脱”という境地にある、とよく私自身は表現しています。父にはまだまだかなわないと感じますし、皆さんの目がどんどん肥えていくので困ったものです(笑)」と語ります。さらに「息子は若いし体力があると感じつつ、父、息子を見てダンシングは負けないぞと思ったりはしています」と三代それぞれの個性について説明していました。

 

国際映画祭ということもあり、海外のファンからの質問も。「最近はエレキギターを弾いていますか? 普段はどんな音楽を聴いていますか?」と訊かれた萬斎さんは「先日、子供番組で弾く機会がありました」とエレキギターを久しぶりに披露したことを明かします。さらに、音楽はもっぱら車移動の際に聴くそうで、お気に入りのラジオ番組があること、そしてベストヒットUSA世代なので、そんなジャンルの曲を聴くことが多いことを教えてくれました。新作映画の話題にも触れ、「フレディ・マーキュリーもコピーして、『ボヘミアン・ラプソディ』を歌ったこともありますね」とコメントしていました。

 

狂言は日本各地で見ることができる伝統芸能。興味のある演目や、お気に入りの狂言師を見つけて、気軽に足を運んでくださいとアピールした萬斎さん。2020年には東京オリンピック・パラリンピック開会式・閉会式の演出の総合統括を務めます。この機会にぜひ、狂言の世界に触れてみてはいかがでしょうか。

 

取材・文/タナカシノブ