みなさんはモノレールに乗ったことがありますか。モノレールは一般の鉄道と比べて高いところを走るため、車内からの眺望は抜群。まるで空中散歩をしているように感じるでしょう。今回はモノレールの基本情報からちょっとした秘密まで紹介しますよ。
モノレールが走っている都市はどこ?
ほとんどのモノレールは都市部を走っています。まずは下にある「モノレールを運行している会社」をご覧ください。
モノレールを運行している会社
東京モノレール(羽田空港線) 東京都交通局(上野懸垂線) 多摩都市モノレール(多摩都市モノレール線) 千葉都市モノレール(1号線、2号線) 舞浜リゾートライン(ディズニーリゾートライン) 湘南モノレール(江の島線) 大阪高速鉄道(本線、彩都線) スカイレールサービス(瀬野線) 北九州高速鉄道(小倉線) 沖縄都市モノレール(沖縄都市モノレール線)
こうして見ると、モノレールは「東高西低」であることがわかります。また、関東ですとディズニーランドや羽田空港へのアクセスとしてモノレールが使われているため、存在感がある交通手段と言っていいでしょう。
一方、西で注目したいのが大阪高速鉄道(大阪モノレール)です。大阪モノレールは2011年まで世界最長の距離数を誇るモノレールでした。残念ながら同年に中国・重慶を走るモノレールに抜かれましたが、大阪国際空港(伊丹空港)へのアクセスラインとしてなくてはならない存在です。また、大阪モノレールでは路線の延伸計画もあります。計画によっては再び世界1位に返り咲くかもしれません。
モノレールには2つのタイプがある
モノレールには大きく分けて「跨座式」と「懸垂式」に分かれます。
「跨座式」は車両がレールにまたがっているようなモノレールのこと。日本にある大半のモノレールが「「跨座式」になります。 一方「懸垂式」はコウモリのように車両がレールにぶら下がっています。「懸垂式」を採用している事業体は少なく、国内では東京都交通局(上野懸垂線)、千葉都市モノレール(1号線・2号線)、湘南モノレール(江ノ島線)、スカイレールサービス(瀬野線)しかありません。
このうち、千葉市の中心地を走る千葉都市モノレールは懸垂式モノレールでは世界最長の距離数を誇ります。2001年にはギネス世界記録に認定されました。
ところで懸垂式モノレールを見て「地震があったら落ちるのでは…」と心配される方も多いのでは。モノレールを運営している事業体は地震対策もバッチリ。国内では過去に地震や強風で車両が落ちた、という事故は発生していません。
快速列車も走っているモノレール
ほとんどのモノレールは各駅停車ですが、中には例外もあります。それがJR山手線、京浜東北線が乗り入れる浜松町駅から羽田空港第2ビル駅を結ぶ東京モノレールです。東京モノレールでは普通列車の他に、空港快速と区間快速が運行されています。空港快速は浜松町駅を出ると、羽田空港国際線ビル駅までノンストップ。しかも、昭和町駅では各駅停車の追い抜きが見られます。
そのため、空港快速の表定速度(平均速度)は時速55キロを超えます。空中を走っているせいか、一般的な鉄道よりも速く感じるはず。羽田空港を利用する際は、ぜひ東京モノレールを使ってみましょう。
なお、空港快速や区間快速は終日にわたって混雑していますが、普通列車は比較的、空いています。東京モノレールの車両はクロスシートも多いので、子供と一緒にのんびりと空中散歩を楽しむのもいいでしょう。
ポイントが楽しい、大阪モノレールの万博記念公園駅
モノレールは乗っているだけでも楽しいですが、時間があれば大阪モノレールの万博記念公園駅で降りてみましょう。この駅からは支線である彩都線(万博記念公園駅~彩都西)が分岐しています。国内にある跨座式モノレールにおいて支線があるのは大阪モノレールだけです。
万博記念公園駅に行くと、電車が彩都線と本線からやって来ます。列車が来るたびにポイントが変わりますが、線路ごとスライドする迫力あるもの。外国人観光客も同鉄道のポイントには注目しており、YouTubeにもアップされています。
なお、万博記念公園駅はユニークな設備があることでも知られています。駅構内にはちょっと一息つけるスペース「モノドリンク」や読書が楽しめる「モノレール文庫」があります。万博記念公園に訪れた際に立ち寄ってみてはいかが。
子供と一緒に前面展望を楽しんでみよう
高いところを走るモノレールでは、前面展望の楽しみも2倍に。どのモノレール会社の新車も前面展望を意識したつくりになっています。その中で注目したいのが2018年10月21日にデビューする3000系。運転手後ろには子供専用のスペース「キッズスペース」が設けられています。保護者は「キッズスペース」の横にある「展望席」から、座りながら子供を見守ることができます。
<関連記事>前面展望が100倍楽しくなる電車の豆知識
文・撮影/新田浩之