その間ずっと、母は何をしていたのか?
▲父親の形見を探す少年の話、ってだけで母親の出番なくない? これ、トム・ハンクスとトーマス・ホーンの映画でサンドラ・ブロックいらなくない? 僕も最初、この映画を見たときには中盤からそう思っていました。この映画を見ているママさんたちも、同じ気持ちになるかもしれません。「サンドラ・ブロック、ちゃんと仕事しろや!」と。
▲息子が一人で知らない街に出かけ、知らない人に話を聞いて父の形見の真相を調べている。そんな息子を放っておいて何をしていたのか!?この映画のラスト、ママはいったいどこで何をしていたのか、その真相が描かれます。僕がこの映画をママさんたちに進めたい理由はラストにあるんですよ! もうね…母親って凄いねぇー!!というサンドラ・ブロックが本気を出すシーンがやってきます。 実際にこのコラムを読んでくださっているママさんがあのシーンを見たらどう感じるのだろうか。「でき過ぎだよ!」と言うのかも知れない。「もう少し早めに手を打つわ!」と突っ込むのかも知れない。しかし、とにかく、この映画で描かれるママの愛は美しいと思うのです。 辛抱強く見守ることは、すぐに手を差し伸べる事よりも難しいのかも知れない。 ママは息子を信じるからこそできたことなのではないか? ポンコツパパの僕は、この映画で描かれるママの力に…、“信じて見守る”大きな愛に、観るたび号泣してしまうのです。
朝の支度のバタバタも、子どもたちのワガママだって!
ちょっと、楽しめるようになるはず
この映画の中で、家族3人がそろうシーンはほとんどありません。だからこそ僕たち観客は、3人そろって平和に過ごしていた瞬間をありありと想像させられます。きっとこうだったんじゃないか、という想像力で完成される風景がそれぞれに浮かぶでしょう。そんなあるべき“家族の風景”がいかに美しく大切かを教えてくれる1本です。 忙しく働き、子育てに奮闘しているママさんパパさんにとって、もちろんわが家もそうなんですが、日々はとにかく慌ただしいですよね。でも、その何気ない毎日がいかに大切なのかを改めて思い出してもらえるきっかけになると思います。 朝ごはんを食べないくせにプールに行こうとゴーグルを付けてみたり、今日こそウルトラマンフェスに行きたいと駄々をこねている息子を見ても、そうだよな、こんな日常が幸せな風景なんだよな、と穏やかに見守れるように。ポンコツ新米パパの僕も、ちょっとは成長しているのかなと思える今日この頃です。
▲せっかくウルトラマンフェスに行ったのに、「ウルトラマンが大きすぎて怖い!」と近づくのはこの距離が限界の息子。
[DVD Info]
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』