夏といえば・・・“冒険”と“恋”。
冒険、と、恋。 夏はこの2大テーマで描かれることが多い時期ですが、この作品も例に漏れず。
クラスの中でも大人っぽくてミステリアスな女の子・なずな。そして、彼女を好きになってしまった典道と祐介の3人の夏休みの1日が描かれています。少年少女の爽やかな恋の三角関係という、僕の大好物設定から映画は始まります。
夏休み、「地元の花火大会に行こうぜ!」と盛り上がる男子たちですが、彼らはふと疑問に思います。「花火って下から見るといつも丸いけど、横から見たら丸くなくて平べったいんじゃね?」と。男子ってバカ。凄くバカ。でもそこが愛おしい。
どうしても確かめたくなった男子たちは打ち上げ花火を横から見るために遠くの灯台に出かけようと計画を立てます。一方その頃、母親が再婚することで夏休み中に引っ越しが決まったミステリアス少女のなずなは典道か祐介、どちらかを誘って駆け落ちしようと計画を立てます。と、まぁ、これだけなら普通のひと夏の恋の物語ですがそれだけじゃありません。ある出来事をきっかけに、典道が“過去に戻ってやり直せる力”を手に入れてしまいます。自転車で灯台に行って花火を見ようぜ!とか言ってる場合じゃない強力なファンタジー要素が飛び込んでくるんです。
実写版では、“結論Aか結論Bか”という二つの道を辿りました。アニメ版ではA、Bという道を描いたところから、さらに少しずつ運命の分岐点に戻ってやり直しては、そこから先へ進むという展開に。 大人になれば、ひとつやふたつくらいありますよね。「あの時に戻って、やり直したい!」と後悔していること。「もっと早く泳げればあの子を振り向かせられたかも」とか、「好きだ!」って言えばよかったとか…ああ、甘酸っぱい。
今は保育園児の息子も、いつかこんな冒険と恋…するんだろうなあ。この映画を観ると、息子に言いたくなるんです。「なあ、今を生きろよ」と。
過去には戻れない現実を生きている僕らは、後悔しないように今を生きなきゃいけない。だから息子よ、ママに無理言ってプールを作らせ、旬のきゅうりを丸かじりする君は正しいんだ。日々、全力で夏を楽しみたまえ。ママさんたちも息子さん、娘さんたちに伝えてあげて欲しい。例え、夏休みの1日の過ごし方でも、後悔ないよう過ごしなさいよと。