動かない演技で心を揺さぶる!
主人公・ロビンを演じたアンドリュー・ガーフィールドは、人工呼吸器をつけたまま。動くのは首から上だけ、つまり表情のみで演技をしているのです。余命宣告を受けたときの絶望感、自分らしく生きたいと願いを訴える心、せっかくなら楽しい人生を送りたいとポジティブな気持ち。表情だけで、ロビンの心を手に取るようにわかりやすく伝えています。
難病ものは「お涙頂戴系」「作り話のような物語」となりがちで、敬遠する方もいるかもしれません。しかし本作はちょっと違います。人工呼吸器付きの車椅子を発明し、同じ病気の人にも笑顔をもたらす。前向きに生きるヒントを与え、実際に生活を便利にする道具も発明した、人生を幸せに生きた男の物語なのです。
幸せに生きること、そして、支えてくれることの大切さを改めて考えさせられる作品。リスクを冒してでも“自分らしく生きること”を選んだロビンのユーモアと笑顔がたっぷり詰まった冒険物語を楽しんで。
文/タナカシノブ