見えない男の孤独な闘い「透明人間」
宮崎駿監督作品でアニメーターとして活躍していた山下明彦監督が描くのは、都会の片隅で静かに生きる“見えない男”の物語。他の2作品とがガラリと雰囲気が変わるダークな世界観に惹きつけられます。主人公・透明人間の声をオダギリジョー、物語のキーマンとなる盲目の男を田中泯が担当しています。
他人には見えない存在の透明人間ですが、表情も気持ちも手に取るように伝わってくる不思議な作品です。コンビニの自動ドアを開けられない、重石代わりに消火器を背負っていないと浮いてしまう。できないことがたくさんありすぎて途方に暮れてしまう透明人間は、自身の存在意義を感じることができるのでしょうか?繊細で控えめな性格の主人公が繰り広げる壮大なアクションにも注目です。
1作品あたり20分弱という上映時間で描かれる作品なので、サクッと観ることができるのも忙しいママにはうれしいところ。小さな子どもでも飽きずに画面に集中することができます。
木村カエラが担当するオープニング&エンディングはとても明るく耳馴染みの良いテーマソングとなっています。今回第1弾となるポノック短編劇場。さまざまな作品との出会いを期待して、第2弾、第3弾の登場を待ちましょう!
文/タナカシノブ