「子どもがダダをこねたときは、叱るよりごまかし方を考えます」
9月7日(金)に公開される『映画 おかあさんといっしょ はじめての大冒険』のアニメ「ガラピコぷ~」のゲスト声優として出演する、関根麻里さんへのインタビュー後編です。
前編では、映画のアフレコ収録のお話や2015年11月に出産した娘さんとの日々を聞かせてくれた関根さん。後編では、親子で映画館に行く楽しさや子育ての工夫、あのヒュー・ジャックマン氏からもらったという寝かしつけのアドバイスをお話してくれました。
――『映画 おかあさんといっしょ はじめての大冒険』は、母親の目線でご覧になるとどこが魅力でしたか?
私はこの物語に、「みんなで仲良くすることの大切さ」や、「思いを素直に伝えれば伝わること」、というとても大切なメッセージが込められていると思っていて。イオちゃんはやさしいお姫様の女の子ですが、ちょっと勇気がないところや控えめなところがあって、友達であるロボットのゴムリと仲直りしたいのになかなか自分からきっかけがつかめず悩んでいるんです。そこでチョロミーたちと出会って、仲間がいるという安心感と心強さで、「がんばる」と決意ができるんですよね。それはとても大事なメッセージですよね。そして、「ごめんなさい」や「ありがとう」を伝えるのは少し勇気がいるかもしれないけど、「真剣にまっすぐに伝えよう」という気持ちで相手に向かうと、相手もそれを受け止めてくれる、というメッセージもあるので。子供にも大人にも響くものだと思います。
――映画館で観るというのも素敵ですね。
はい、すごく特別な体験になると思います。特にこの作品は、同世代のお子さんが観に来ると思うので。ちょっとぐずっちゃったり、おしゃべりしちゃってもそれはお互い様という気持ちがあると思いますし、すごく心強いですよね。子供たちにとっては、普段テレビで見ている「おかあさんといっしょ」のお兄さんやお姉さん、アニメになった「ガラピコぷ~」のチョロミーたちが登場するので、安心感もあると思うんですよ。
――普段、娘さんと映画館に行くことはありますか?
はい。娘は映画館が好きで、好きな作品があるとなんでも「映画で観ようね」って言うんです。楽しい場所だと感じているんだと思います。映画館に行くときは、スティック状にしたおにぎりを持って行きます。おにぎりだと音もしないし、スティック状だと自分で握って食べられるし。大きいのをあげると時間が稼げないので(笑)、小さく数本にわけて、ゆっくり渡して、それを食べながら観ています。 『映画 おかあさんといっしょ はじめての大冒険』は、声を出してもいい参加型映画なので、お友達を誘って行くのもいいと思いますし、家族で行くのもいいと思います。うちはじいじ(関根勤さん)が一緒に行くと張り切ってます(笑)。とっても楽しみです。
――2歳のお子さんとは今、どんな毎日ですか?
娘は「気に入った服は毎日でも着たい」という時期がきまして(笑)。もともと意志がすごく強いんですけど、「これを着たい!」というのがあったら、もうそれじゃないといけない。だからお気に入りの服は夜のうちに洗濯して、朝になるまでに乾かして着られるようにしています。あとは寝かしつけが「どうしよう」というくらいで。コロッと寝てくれることは稀。楽しくなってベッドでジャンプしたり、「いらっしゃいませ~!」って急にお店屋さんごっこが始まっちゃったり、暗闇の中で大声で歌い出したりしちゃうんですよ(笑)。それはとにかく娘と付き合ってあげています。満足すると寝るので。
――付き合ってあげる心の余裕がすごいと思います。
だって……付き合わないと寝ないから(笑)。ただ以前、ヒュー・ジャックマンさん(俳優)にインタビューする機会がありまして、そのときに寝かしつけのアドバイスをしてくださったんですよ。寝かしつけはまずルーティンをつくることが大事。ルーティン通りに、あれしてこれして最後の絵本まで読んで「おやすみなさい」と言った瞬間から「世界で一番つまらない人になるようにするんだ」と。そこからは子どもに対して反応しちゃいけない。「早く寝なさい!」って怒っちゃったりすると、リアクションが面白いからと拍車がかかることもあるし、本当にノーリアクションでいるっていう。最初はそれでもちょっかい出してきたりするかもしれないけど、こちらもがまんしていると、子どももだんだんわかってきて「いくら騒いでも相手してくれない」ということに気付くんだそうで。ご自身もそれでうまくいったと教えてくれて。それで、うちもやってみたんです。そしたら本当にだんだん気が付いてくるんですよね。娘はそれでも笑わせようとしてきたりするので、ときどき笑っちゃうんですけど(笑)。そんな感じでいろいろ試してみてます。私もそれが楽しいです。作戦を立てて、ミッション成功かミッション失敗か!という感じでやってます。
――とはいえ働きながら子育てをするのは大変なことだと思いますが、そのなかで、関根さんが大事に思っていることはありますか?
人生一度ですし、今の娘と過ごせるのは今しかない。だからこの時間を大切に過ごしたいということですね。いつか大きくなったら友達と一緒に出掛けちゃうと思うんです。でも今は「ママ」と言ってくれるので。なるべく抱っこもしてあげたいし、この重みも今だから噛みしめられると思って、骨盤ベルトを巻いてがんばってます(笑)。
――「大変だー!」とかならないですか?
なりますよ。荷物が多いときに「抱っこして」と言われると、「今はちょっと無理―!」とか。でも「今だけなんだな、こんなに言ってくれるのは」と思うと、「10秒休憩させて」と休んでから、抱っこしてます。娘も悪気があるのではなくて、甘えたいからっていう愛情表現ですしね。さすがに道路でひっくり返られると困りましたけど。以前、雨の日にひっくり返られそうになったときはパニックでした(笑)。
――「こらー!」ってなったりはしないですか。
育児本を読んで勉強したりもするのですが、「2歳は自分の欲求を満たしたいという気持ちが強いので、そこでしつけしようとしても限界がある」と書いてあって。今、ワーッと叱ってそれがトラウマになるよりは、ごまかすって言うと悪く感じるんですけど、切り替えるほうがお互いストレスにならない。そうやって次に進めばいいかなって。でも娘もチョロくないので(笑)、そう簡単にごまかされてくれないんですけどね。でもちゃんと説明すると理解してくれるので、そこはすごく気を使って、人対人として接して、理解できるように話しています。そういう部分は苦労といえば苦労ですが、結果、気持ちよく過ごせるので。今は楽しいです。全てが笑えるというか。大変ですけどね。ただやっぱりそのなかで仲間がいると心強いので、街を歩いていて、ひっくり返っている子のお母さんには「わかります!うちもそうですから!」という気持ちを送っています(笑)。
関根麻里
1984年、東京都生まれ。アメリカのエマーソン大学を首席で卒業後、2006年にタレントとしてデビューし、『ZIP!』(日本テレビ系)など、多数の情報番組にレギュラー出演する。2014年に結婚、2015年に長女を出産。現在、『PON!』(日本テレビ系)の月曜レギュラーを務める。
取材・文/中川實穂 撮影/藤沢大祐
~information~
『映画 おかあさんといっしょ はじめての大冒険』9月7日(金)全国ロードショー!
人気番組「おかあさんといっしょ」がこの秋『映画 おかあさんといっしょ はじめての大冒険』として初の映画化。劇場内で歌って踊って楽しめる、この映画ならではの楽しみ方が満載です。番組でおなじみの人形劇「ガラピコぷ~」はアニメになり、チョロミー、ムームー、ガラピコたちが大冒険!ゲスト声優として関根麻里(イオ役)、横山だいすけ(ゴムリ役)が参加。みんなで楽しめるコーナーが盛りだくさんの約70分!お子さまの人生で初めての映画館体験となる“ファーストムービー”にピッタリです。
出演:花田ゆういちろう 小野あつこ 小林よしひさ 上原りさ・満島真之介・チョロミー ムームー ガラピコ スキッパー 声の出演:吉田仁美 冨田泰代 川島得愛・西川貴教 横山だいすけ・関根麻里 ©2018「映画 おかあさんといっしょ はじめての大冒険」製作委員会
【予告編】https://www.youtube.com/watch?v=Sl1gsDaCNRA&t=13s
【公式HP】
http://eiga-okaasan.jp/