口を開けば悪口ばかり!好きだけど…キライ!

 

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(C)2018「犬猿」製作委員会

 

兄弟、姉妹間ではいいところをわかっていても素直に褒められないのに、顔を合わせれば衝突ばかりしてしまいがち。口を開けば出てくるのは悪口ばかりなのです。和成と真子の会話でも兄や姉についての不平不満が次々と出てくるのですが、自分以外の人間が兄や姉の悪口を言うのは許せないようなのです。

 

ある出来事をきっかけに、兄弟姉妹の秘密が明らかになり、険悪なムードが漂います。救急車も出動して(しかも2台!)、雲行きがあやしくなります。ドタバタしながらも結局最後は仲直り?な雰囲気になったと思わせながら、ちょっとしたことで空気が変わる金山兄弟と幾野姉妹。兄弟・姉妹は一生こんな関係が続くのでしょうか?

 

笑って泣ける兄弟・姉妹「あるある」

 

他人には絶対見られたくない、指摘されたくないことってありますよね。例えば、弟・和成は一見優しくて真面目なのに、実は計算高くてズルさも持ち合わせていますし、妹・真子には、周りがチヤホヤする外見を持ちながら、グラビアの仕事をゲットするために枕営業をしてしまうという愚かさがあります。

 

兄弟・姉妹という関係で描いているからこそ、通常他人には見せない部分が映像として表現されストレートに伝わってきます。そこは隠しておきたいのに…が通じない関係、それが兄弟・姉妹というわけです。リアルだからこそ、心から笑って泣ける作品です。

 

兄弟・姉妹がいる方は「あるある」として共感でき、一人っ子の方は「めんどくさいけど、愛おしい関係」を覗き見できる映画『犬猿』。抜群の存在感を放っているニッチェ・江上の演技は必見です。

 

文/タナカシノブ