善なのか悪なのか、それとも…
“邪”になる運命に抗う文宏ですが、相手が悪であれ、殺人という罪を犯してしまいます。人を殺すことは悪ですが、それが誰かを守るためであれば善になることもありますよね。作品を見ていると、何度も「善とは?」「悪とは?」という問いを突きつけられる気がします。文宏が自分の心を隠し、罪を重ねるわけですが、それを完全に“悪”と言い切れないのは、そこに“愛”があるからです。
文宏の愛は報われるのでしょうか?文宏がその仮面を外し、心を見せる日は来るのでしょうか?文宏の愛の行方を見届けてみましょう。
そして!この作品にはもう一人、見逃せないダークなイケメンが登場しています。吉沢亮演じる伊藤亮裕は、必見!目の保養におすすめです。本作では爽やか系は封印し、ちょっとやさぐれた感じのキャラクターで登場します。伊藤と文宏の共通点、若さゆえの伊藤の行動などにも注目してください。出番は少ないのですが、インパクトはかなりあります。キラキラした瞳ではなく、まったく笑っていない冷めた目の吉沢亮も見応えありますよ。
全編を通して、ダークなトーンで描かれる独特の世界観がありながらも、ベースに“愛”が流れていることで、恋愛ものとしても楽しむことができます。善なのか悪なのか。その答えは簡単に出せそうに見えるのに、はっきりと正解が出せない。そんなもどかしさを感じながら、ダークなイケメン姿に酔いしれましょう。
文/タナカシノブ