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情報やツールがあふれ、子どもの教育論もさまざまな説が飛び交う今、何を信じていいのやら、子育てに迷う時代です。外交官から作家に転身した佐藤優さんは、教育にも強い関心があり、小学校に上がるまでに育てたい力は自己コントロール力だと言います。この基礎力さえ身につければ、あとは子どもがみずから伸びていく──。厳しい未来を生き抜くための佐藤流子育てとは!?

 

PROFILE 佐藤優さん

1960年、東京都生まれ。作家。同志社大学神学部を卒業後、外務省入省。主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍。2002年、鈴木宗男事件に連座して逮捕され有罪に。特異な体験と膨大な知識で"知の怪物"と称される。『不安な未来を生き抜く最強の子育て』(集英社)など著書多数。

 

未来を生き抜く最強の子育て術

 

自分から学ぶ根本は「読む」力、子どもを本好きにするには?

自己コントロール力をつけるには「読書」が最善の方法だと佐藤さん。気をつけたいのが親からの押しつけ。本嫌い、勉強嫌いになってしまう可能性が! 未就学児にオススメの読書の方法とそのポイントとは?

 

「自己コントロール力を身につけるにはどうすればいいのでしょう? まずその前にやってはいけないことがあります。それは親からの押しつけです。


能力のある子どもに育てたいという気持ちから、早い時期から文字を覚えさせたり、勉強させたりしていませんか? 親がムリやり押しつけると、子どもは本嫌い、勉強嫌いになってしまいます。自分から学びたがっているから大丈夫? その場合も注意が必要です。子どもは親が思っている以上に親を喜ばせたいという気持ちが強く、本当は苦痛なのに親の顔色を見て喜んでいるふりをする場合があります。


自己コントロール力には前頭葉の前頭前野という部分が関係しています。いわゆる理性をつかさどる場所。これをどうすれば鍛えられるか? それは読むこと、すなわち読書なんですね。


4歳くらいまでの子どもは自分で読むことは難しいですから、まず親が子どもに簡単な絵本などを読んであげてください。そして4歳以上になったら、だんだんと自分で読ませるようにする。押しつけるのではなく、本人の自主性と興味にまかせることが大事です。


その意味でも私は本を図書館から借りるより、蔵書を持つことをオススメします。児童文学全集でもいいですし、さまざまな図鑑もいいでしょう。子どもが興味が出てきたときにすぐに手が届く場所にある、手にして読むことができる環境が理想的です」