スマートフォンの普及により、ほとんどの方はホームページやアプリを利用して、列車の時刻をチェックしていると思います。それでも、紙の時刻表の読み方を覚えても損はありません。ましてや、子供にとって紙の時刻表は宝の山!時刻表を「読む」ことで社会や算数の勉強にもなります。今回は紙の時刻表の読み方を解説します。
※著作権の関係上、自作のイラストや表でご説明します。
紙の時刻表の使い方
まずは冒頭のさくいん地図を眺めてみよう
時刻表を購入したら、まずは冒頭のさくいん地図を眺めてみましょう。ページは九州・沖縄から北海道の順になっています。また、北海道の次は首都圏(東京付近)、中京圏(名古屋付近)、関西圏(大阪付近)の詳細な鉄道地図が掲載されています。さくいん地図を眺めると、全国いろいろなところに路線があることがわかりますね。
ところで「時刻表」と聞くと「鉄道だけの時刻表」と思われるかもしれませんが、そうではありません。さくいん地図をよく見ると、バスや航路も書かれていることがわかります。 それでは、さくいん地図から時刻の調べ方を解説しましょう。
調べ方は簡単!路線の近くにある数字に注目してください。その数字がそれぞれの路線の時刻が掲載されているページ数になります。注意点としては上り、下りがあることに気をつければいいでしょう。なお、さくいん地図には黒色と青色の路線がありますが、時刻を調べるだけでしたら、この色分けは関係ありません。
時刻を調べる前に知っておきたい記号の数々
紙の時刻表には普段見慣れない記号がいくつかあります。時刻を調べる前にこれらの記号を頭に入れておきましょう。決して難しくないので、この機会に覚えておきましょう。把握しておきたい記号は以下のとおりです。
レ:通過 ||:他線区経由 =:この駅止まり(当駅止まり) ⬎:列車の分割・併合(列車が分かれる、一緒になる)
他にも記号はありますが、子供が時刻を調べる分にはこれで十分です。あとは「特快=特別快速」「区快=区間快速」「新快=新快速」などの列車種別に気をつければいいと思います。「あの記号、何だったっけ」というときは巻頭にある「時刻表の上手な使い方」をチェック!ここにすべての記号が掲載されています。
実際に紙の時刻表を読んでみよう
それでは実際に紙の時刻表を解読してみましょう。ここでは実際の時刻表を模して作成した時刻表を使います。実際の時刻表と多少レイアウトは異なりますが、だいたいこのような感じです。なお、この時刻表は実際とは異なりますので、あくまでも参考程度にしてください。 この時刻表はJR福知山線(大阪~福知山)の一部です。
まず、一番左の快速列車からチェックします。この快速列車は京都駅、高槻駅、大阪駅の欄に縦の二重線が入っていることから、京都駅、高槻駅、大阪駅は経由しないことがわかります。始発駅はJR東西線の木津駅です。尼崎~木津間の時刻を確認したい場合は始発駅、木津の上にある「752」に注目! 752ページを見れば、木津駅からの時刻がわかります。
なお、この快速列車は木津駅を8時58分に出発します。 さらに快速列車を見ますと、塚口駅、猪名寺駅、北伊丹駅が「レ」になっています。つまり、快速列車は尼崎駅を出ると、伊丹駅、川西池田駅、中山寺駅、宝塚駅に止まることがわかります。
紙の時刻表を見慣れていない方ですと「なぜ、同じ列車が並んでいるの?」と思うでしょう。そういう時は終点の時刻の下もしくは上にご注目! この場合は左側の列車が「土曜・休日運休」、真ん中の列車が「土曜・休日運転」です。また、同じように見えて、これらの列車のダイヤは微妙に異なります。
次に、一番右側の普通列車に注目しましょう。列車名が空白の場合は普通列車であることが多いです。この普通列車は京都駅の欄は「・・」、そして高槻駅から時刻が記載されていることから、高槻駅始発であることがわかります。さらに「大阪番線」に「⑥」とあることから、大阪駅6番線に到着します。大阪駅などのターミナル駅の場合、このように到着するプラットホームが書かれることが多いです。
さて、この普通列車の時刻の隣に「(以下330頁)新三田着1125」と書かれていますね。つまり、この普通列車は宝塚駅からさらに新三田駅まで走ることがわかります。新三田駅には11時25分に到着します。なお、宝塚駅~新三田駅間のダイヤを知りたい場合は330ページをチェックしましょう。 基本的に紙の時刻表はこのように見ていきます。最初は慣れないかもしれませんが、練習すればだんだんスムーズに読めるようになりますよ。
時刻表は毎月変わる?
基本的に紙の時刻表は毎月、出版されます。ただし、普段利用している路線が毎月、ダイヤが変わるわけではありません。ダイヤ改正の場合は駅や列車で告知がされますので、そのタイミングで時刻表を購入するといいでしょう。なお、全国規模のダイヤ改正は3月に行われることが多いです。
取材・文・撮影/新田浩之