優れた芸術の裏には、創造欲を掻き立てる”ミューズ(女神)”の存在があるといいます。デザイナー、ブランド、アーティスト、映画などの創り手にとって欠かせない存在です。
今回ご紹介する『グッバイ・ゴダール!』は、あのヌーヴェルヴァーグの旗手、ジャン=リュック・ゴダールのミューズであり二番目の妻でもあるアンヌ・ヴィアゼムスキーの自伝小説の映画化作品です。映画史を語る上で欠かせない存在であり、80代になった今でもメガホンを取り続ける巨匠ゴダールがどのような結婚生活を送っていたのか、ちょっと覗き見しちゃいましょう。
ゴダールに別れを告げる物語
タイトルからもわかるように、映画界の巨匠ゴダールに別れを告げる物語です。パリに暮らす大学生のアンヌに、20歳を前に人生を変える出会いが訪れます。映画界に変革をもたらした映画監督ジャン=リュック・ゴダールと恋に落ちるのです。アンヌは、毛沢東主義を描いた新作『中国女』で主演女優に抜擢されます。そしてその主演映画公開直前に結婚!世界中が注目する映画監督のミューズとして新鮮で刺激的な日々を過ごします。
『グッバイ・ゴダール!』は、ゴダールについての映画ではありません。ゴダールと聞くと、映画好きのための映画のようにイメージしてしまいがちですが、この映画は、アンヌの視点から描かれたラブストーリー。世界が注目したセレブカップルの日常を、ハートフル&コミカルに描いた作品です。