シャンプー

シャンプーなどの消耗品の詰め替え、みなさんの家庭では誰がやっていますか。

 

三世代完全同居のわが家、シャンプー類の詰め替えはなぜか私しかやらないのです…。風呂場で起きていた事態と、同居嫁の割りきれない想いを綴ります。

私しか詰め替えないシャンプー

わが家の風呂場には、家族が多いぶん、さまざまな消耗品が置かれています。

 

義父母それぞれのシャンプー、コンディショナーとボディソープ、洗顔フォームやシェービングフォームなどなど…。

 

家族全員がそれぞれ好みのものを使うと品数が大変なことになってしまうので、私たち夫婦と子どもたちは、シャンプー、コンディショナー、ボディソープについては同じものを使うように決め、詰め替え製品をストックしています。

 

しかし、この子世帯用の消耗品、いつも詰め替えるのは私だけであることに、ずっと割りきれなさを感じていました。

 

ボトルポンプを押しても中身が出なくなるほど少なくなれば、蓋を開けて最後まで使いきり、ボトルを洗い、中身を詰め替える。

 

家族には、特に難しくもない手順を説明し、詰め替え製品のストックもわかりやすいところに置いて伝えています。それなのに、いつまでたっても私以外の誰ひとりとして、消耗品を詰め替えようとはしないのです。ボトルの中身が残り少なくなっても、水を入れて薄めて無理やり使った形跡があるのみです。

シャンプーがなくても洗髪できる理由

これは結局、私が我慢できずに詰め替えてしまうからいけないんだ、誰かがやってくれると思うから限界まで使いきって平気な顔をしているんだ、私の忍耐がたりない、家族には限界の向こう側を体験してもらおうじゃないか…!

 

そう思い立った私は、薄められてシャバッシャバになったシャンプーが、さらに残量ゼロになるまで耐えることにしました。自分の髪は、溜まっていた試供品などのシャンプーを使い、絶対に家のシャンプーは補充しないぞ!と決意して様子を見ること数日。

 

さすがに誰か痺れをきらして補充をするはず…という目論見は外れ、いつまでたってもボトルは空っぽのままです。

 

なんで?君たちどうやって頭洗ってるの?と家族を個別に問い詰めると、恐るべき事実が判明しました。

 

息子「なんかいつものシャンプーがないから黒のボトル(義父のシャンプー)使った」
娘「いつものがないから紫のボトル(義母のシャンプー)使った」
夫「いつものがないときは適当にその辺にあるやつ(義父母の)使ってる。えっダメ?」
義父母「君たちのシャンプーがなくなったら私たちの使ってもいいよ」

 

貴様ら!!!全員そこへ直れ!!!
シャンプーはどこからか湧いて出るものじゃない!!!いつものものがないなら詰め替えて!!
義父母の高級な(子世帯比)シャンプーを勝手に使うんじゃない!!!
特に夫!!いい歳して消耗品の区別も補充もできないことを恥じよ!!
あと義父母!そうやって甘やかすから誰も詰め替えしようとしないんでしょうが!(これは八つ当たり)

 

思えば、風呂場は自分ひとりだけの空間。

 

私は義父母の消耗品と子世帯の消耗品は区別して使うのが当たり前だと思ってきましたが、他の家族はそれを意識する機会があまりなかったのかもしれません(いや気づこうよ、ちょっと考えたらわかるだろ、とは思いますが)。

 

さらに今回、義父母からの「シャンプー使っていいよ」のお許しが出た形となってしまい、家族は今後ますますシャンプーの詰め替えに消極的になると思われます。

 

事実、私があれだけ怒り散らかしたにもかかわらず、しばしば子世帯用のシャンプーボトルは空っぽのまま放置されています。なんだこの不公平感は…。

義母の新しいシャンプーでちょっとした事件

しかし、そんなある日、ちょっとした事件が起こります。

 

朝起きてきた中学生の娘の髪が、明らかにいつもと違うのです。

 

ボワっと根本から膨らんで、いわゆる爆発状態。

 

普段は何もせずともわりあい落ち着いた髪の毛なのにどうしたのか…ハッと気づいた私は娘に聞きました。

 

「いつものシャンプーがないからって、おばあちゃんの新しいやつ使ったでしょ?」

 

決まり悪そうにうなずく娘。そう、昨夜髪を洗うときに、例によって詰め替えを面倒くさがった娘が、義母の新しいシャンプーを使ったようなのです。

 

「年齢が気になる髪の毛を、根本からふんわりボリュームアップ!」と謳われた、中高年女性向け商品を…。

 

看板に偽りなし。ただでさえ量の多い娘の黒々とした髪の毛は、それぞれ見事に激しく自己主張していたのです。

 

爆笑する私を横目で睨みながらせっせと髪を結んだ娘。これに懲りて、これからはちゃんと詰め替えをしてほしい…娘だけじゃなくみんな…そう願うばかりです。

文/甘木サカヱ イラスト/ホリナルミ