2018年に結婚した女優の早見あかりさん。子どもの頃は、「周りにいる大人は全員敵だ!」と思っていた時期もあったとか。幼い頃から芸能界に身を置き、年齢を重ねるにつれてどのように心境が変化していったのか。お話を聞きました。
夫と付き合い始めたことが転期
── 2018年に結婚されて今年で4年目になるそうですね。ご自身で変化したと思うことはありますか?
早見さん:
結婚して変わったと言うよりも、今の夫と付き合い始めたあたりから、自分が変わっていったように思います。人に対して甘えることを知ったというか。
── それまでは、違っていたということですか?
早見さん:
今だったら大人の事情とか、親の気持ちも何となくわかりますよ。ただ、昔は周りの大人はみんな敵、何か裏があるって思ってましたから(笑)。
── それはなぜでしょうか?
早見さん:
両親が離婚していて、子どもの頃は母と妹の3人で暮らしていたんです。母は結構ふんわりした人で、よく言えば大らかというか。それもあって、子どもの頃から「家族のことは私が引っ張らなきゃ!」って、めちゃくちゃ頑張ってました。
家のトップのような立ち位置だったと思います。それに加えて、小さいうちから芸能界に入っていたので、人より色々経験したような気もしますね。
── 子どもの頃から大人の世界も見ていたと。早見さんは私生活では家族を引っ張り、ももクロ時代もグループのサブリーダーでした。その立場にプレッシャーは感じましたか?
早見さん:
それはなかったですね。「しっかりした子だね」と幼稚園のときから言われていたらしいので、もともとの性格なのだと思います。3月の早生まれだから、周りの子たちよりも幼くたって不思議じゃないんですが。
「人ってこんなに優しいんだ!」と気づけた
── その後、「大人は敵だ!」としていた早見さんが、どんなことがきっかけで気持ちが変化していくのでしょうか?
早見さん:
19歳でひとり暮らしをはじめた頃。私の新居の近くに、友達の知り合いが飲食店をオープンしたんです。誘われて行ってみると、友達が友達を呼んで、身内感覚で集まれる雰囲気だったんです。とても居心地が良くて、それから定期的にお店に通うようになりました。
そのうちお客さん同士、横の繋がりも広がっていくと、今まで自分がいたコミュニティとは違う人たちともどんどん知り合うようになって。
次第に「あ、人ってこんなに優しいんだ!」と思えるようになりました。
── 今まで見てきた世界とは、また別の世界があったと。
早見さん:
それまでは、常に「自分がしっかりしなきゃ!」という意識があったんです。でも、お店ではたまたま19歳だった私がいちばん年下だった。みんなが「可愛い可愛い、あかりん!」みたいな感じで接してくれて、人に甘えたり、肩の力を抜いてもいいのかなって思えてきて──。
その辺りから、徐々に自分自身も丸くなっていったと思います。地元の友達とか、私の小学生時代、中学、高校生まで知っている人から、「ホント丸くなったね!」ってよく言われますし、自分でも、誰に対しても優しくなったなって。
── 嬉しい変化ですね。そのお店の縁で今の旦那さんにも知り合ったそうですね。
早見さん:
そうですね、友達の友達から知り合って、自然に仲良くなりました。
── 旦那さんはどんな方ですか?
早見さん:
とても穏やかで丸い性格ですね。一緒にいて、私もどんどん穏やかになっていく気がします。仕事にも理解があるし、優しい気持ちになれるし。
—— とても素敵ですね。ただ、結婚生活も4年目に入りました。夫婦喧嘩をすることもあるのでしょうか…?
早見さん:
喧嘩と言っても、基本的に私が一方的に怒って、夫は「うん、うん」って聞いている感じです(笑)。最近では、それもほとんどしなくなりました。
もちろん怒ったり喧嘩するのは好きじゃないです。ただ、喧嘩できるのは、相手を信頼しているからこそ。だから喧嘩になってもすぐに穏やかな関係に戻ります。こう話していると、改めて私も丸くなりましたね(笑)。
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PROFILE 早見あかりさん
はやみ・あかり。女優。1995年3月17日、東京都生まれ。映画、ドラマ、舞台で活躍。一児の母。5月13日(金)公開の映画『シン・ウルトラマン』に出演。
取材・文/塚田史香 撮影/坂脇卓也