2020年10月に第一子を出産した早見あかりさん。産後から約1年で舞台に復帰しました。しかし、初めての育児と仕事の両立。うまくバランスを取りつつも、時には力みすぎてしまうこともあるといいます。お話を聞きました。
妊娠中に産後の仕事依頼も「迷いはなかった」
── 出産から約1年で舞台『パ・ラパパンパン』(2021年11月公演)で仕事復帰をされました。舞台のオファーがあったのは、妊娠中だったそうですね。初めての育児と仕事の両立について、迷いはありましたか?
早見さん: 全然なかったです。もちろん「やりたい」という気持ちだけではやれませんから、まずは夫とお義母さんに相談しました。
うれしかったのは、お義母さんが「あなたは絶対にステージに立っていた方がいい。絶対に観に行く」と応援してくれたことです。あと、「大人計画だから出た方がいい」とも(笑)。
お義母さんはいつもサポートしてくださって、心強い存在です。夫も背中を押してくれたし、周りの力を借りながら頑張れそうかなと思って決めました。
── それは心強いですね。実際に稽古がはじまってみて、いかがでしたか?
早見さん: 大変か大変じゃないかと言ったら、やっぱり大変でした(笑)。
ただ、舞台の仕事はかなり前から稽古や公演日が決まっているし、ドラマに比べたら時間も予定通り。ある意味、スケジュールが組みやすいんです。産後復帰の仕事としては、舞台のお仕事を頂けたのはありがたかったですね。
とはいえ、朝は娘の面倒をみながら支度をして、近所に住むお義母さんに娘を預けてから稽古場に行き、帰宅してお風呂で汗を流して、また娘を迎えに行って。
特に、東京公演の3週間は、夫が出張で家を空けていてさらにハードで。お義母さんに頼りながらなんとか乗りきりました。
── 家でも外でもパワフルな日々だったんですね!
早見さん: 周りの方々に助けてもらいながら、どうにか(笑)。
ただ、私はこの舞台を終えて、やっぱり外に出て仕事をするのが好きだなぁって思いました。あと、仕事に行くとひとりになれる時間を確保できたり、自分の居場所が外にもあるってことも大事だなと感じました。
確かに、仕事をする方がスケジュール的に大変です。でも、私の場合は外の仕事のおかげで 精神的には満たされていた気がしますね。
── 育児と仕事のバランスが取れていたのでしょうか?
早見さん:もちろんそう思えたのは、お義母さんのサポートがあり、そして舞台の仕事が本当に楽しかったから。出演者もスタッフの方も優しくていい人ばかりでしたし、作品自体とても面白かったんです。
── ところで早見さんのInstagramでは、色鮮やかな手作り離乳食が掲載されていますね。
早見さん: 最近まで、離乳食は手作りでした。舞台中も大量にストックを作って、それをお義母さんに渡して、子どもたちに食べさせてもらっていたんです。
でも、舞台が終わった頃かな?非常用に買い置きしていた市販のベビーフードを、月齢にあわせて消費していかないといけない時期になってきて。
試しに、手作りと市販のベビーフードを混ぜて使ううちに、全部手作りじゃなくてもいいんじゃない?って思うようになってきたんです。そう気づいてから、少し気がラクになりましたね。
子育ては手を抜くのも勇気がいる
── もともと、何に対しても頑張りやさんといいますか、一生懸命なんでしょうか?
早見さん: 仕事も育児も両方頑張っていますが、仕事はどちらかというと楽しいからやっています。以前に比べたら、少し余白を残しながら取り組めるようになってきましたね。
いっぽうで子育ては、100点満点を出し続けたくて、力んでいる自覚はあるんです。
周りから「ある程度手を抜いても子どもは大丈夫だよ」と言っていただくこともありますが、それがなかなか難しくて。
── 100点満点を出し続ける…!手を抜くのも、勇気がいると?
早見さん:単純に子育てが初めてだからですかね。今の大変さがこの先10年続くわけでもないですし。娘が大きくなって、後から振り返ったときに、「あのときの私、めちゃくちゃ大変だったな」って思えるようにしておきたいんです。もう少し、自分の気持ちに余裕が出たら「頑張らなくても人は育つ」って思える気もしますが、今はまだ力みまくってます(笑)。
── お子さんもまだ小さいですものね。
早見さん:子どもは1歳3か月(取材時)。私もママとして1歳3か月。まだまだ新米ママですが、これからだと思っています。いろいろ楽しみです!
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PROFILE 早見あかりさん
はやみ・あかり。女優。1995年3月17日、東京都生まれ。映画、ドラマ、舞台で活躍。一児の母。5月13日(金)公開の映画『シン・ウルトラマン』に出演。
取材・文/塚田史香 撮影/坂脇卓也