家族を否定されたようで母には話せなかった

── 先生から「変わってるのねぇ」と言われるシーンは読んでいる側もドキッとしてしまいましたが、愛田さんは当時どのようなお気持ちでしたか?

 

愛田さん:

家族のことを否定されたような気持ちでショックでした…。注意されたことだけは鮮明に覚えていて、そのあとはショックだったせいかあまり覚えていないんです。できあがったおみそ汁をしょんぼり食べたことだけはうっすらと記憶しています。

 

── ショックを受けている様子がイラストからよく伝わってきました…!この日の出来事は家に帰ってからお母さまには話されたのですか?

 

愛田さん:

母には話さなかったです。当時は恥ずかしさや悲しさであまり話題にしたくなかったんだと思います。母は今回のツイートを読んで初めてこのエピソードを知りましたが、特に何も反応はなかったですね。もう20年くらい前のことですから。

 

── 結婚後、おみそ汁の大根は「いちょう切り」にしていたそうですが、旦那さんは本当は細切り派だったんですよね?今まで何も言わなかった旦那さんの優しさを感じます。愛田さんから見てどのような方ですか?

 

愛田さん:

そうなんです。もともと夫は「細切り派」だったそうで。でも、食にそれほどこだわりがなかったようで、私がいちょう切りで出しても「まあいいか」と黙って食べてくれていたみたいです。

 

私と正反対で感情の起伏があまりなく、穏やかな人なのでありがたいなと思います。子どもたちも懐いていて、お父さんに遊んでもらうのが大好きなんですよ。

 

── お子さんは5歳、2歳とまだ小さいですが、今後きっといろんな経験をしますよね。もしお子さんが「大根の切り方」のような体験をしたと知ったら、親としてどのような声かけをしますか?

 

愛田さん:

「そういう考えの人もいるんだね、悲しかったね」と、まずは受けとめてあげたいですね。そのうえで、「でも、これからあなたと同じ感性や習慣の人に出会えるかもしれないし、出会えなくても理解してくれる人が現れるかもしれないよ。大丈夫だよ」と伝えたいなと思います。

 

とはいえもしわが子に実際にそんなことが起こったら…穏やかではいられないかも(笑)。

愛田ぱんさんイラスト