小学生のころ、調理実習で作った大根のおみそ汁にまつわる漫画がTwitterで7.8万いいねを集め、話題を呼んでいます。

夫が作ったみそ汁に思わず絶句「…私、変じゃなかったんだ」

ちょっと切なくて最後はホッとする、漫画家の愛田ぱんさん(@pan_aida)の過去と現在のお話。

調理実習で、おみそ汁の具の大根を家でお母さんが作るのと同じ細切りにした愛田さん。それを見た先生の「変わってるのねぇ…普通はいちょう切りよ」のひと言に大ショック!以来、「細切り大根はおかしいんだ、恥ずかしい」と思い込んできました。

 

ところが結婚後、夫が作ってくれたおみそ汁の大根がなんと細切り!「小6の私が救われた」と心が晴れたそうです。

 

おみそ汁って家庭ごとに味や作り方に違いがありますよね。このツイートに読者からは「実家はいちょう切りだったから親戚の家は細切りで憧れてた」「逆にいちょう切りが主流というのをはじめて知った!」と、励ましのリツートが何件も寄せられました。

 

漫画は「当時の先生を恨んでるとかじゃなく ちょっとだけ思い出したおみそ汁の話」と締めくくられていますが、当時はどんな気持ちだったのか、また12歳の愛田さんを救ってくれたパートナーはどんな方なのか?ご本人に伺いました。

家族を否定されたようで母には話せなかった

── 先生から「変わってるのねぇ」と言われるシーンは読んでいる側もドキッとしてしまいましたが、愛田さんは当時どのようなお気持ちでしたか?

 

愛田さん:

家族のことを否定されたような気持ちでショックでした…。注意されたことだけは鮮明に覚えていて、そのあとはショックだったせいかあまり覚えていないんです。できあがったおみそ汁をしょんぼり食べたことだけはうっすらと記憶しています。

 

── ショックを受けている様子がイラストからよく伝わってきました…!この日の出来事は家に帰ってからお母さまには話されたのですか?

 

愛田さん:

母には話さなかったです。当時は恥ずかしさや悲しさであまり話題にしたくなかったんだと思います。母は今回のツイートを読んで初めてこのエピソードを知りましたが、特に何も反応はなかったですね。もう20年くらい前のことですから。

 

── 結婚後、おみそ汁の大根は「いちょう切り」にしていたそうですが、旦那さんは本当は細切り派だったんですよね?今まで何も言わなかった旦那さんの優しさを感じます。愛田さんから見てどのような方ですか?

 

愛田さん:

そうなんです。もともと夫は「細切り派」だったそうで。でも、食にそれほどこだわりがなかったようで、私がいちょう切りで出しても「まあいいか」と黙って食べてくれていたみたいです。

 

私と正反対で感情の起伏があまりなく、穏やかな人なのでありがたいなと思います。子どもたちも懐いていて、お父さんに遊んでもらうのが大好きなんですよ。

 

── お子さんは5歳、2歳とまだ小さいですが、今後きっといろんな経験をしますよね。もしお子さんが「大根の切り方」のような体験をしたと知ったら、親としてどのような声かけをしますか?

 

愛田さん:

「そういう考えの人もいるんだね、悲しかったね」と、まずは受けとめてあげたいですね。そのうえで、「でも、これからあなたと同じ感性や習慣の人に出会えるかもしれないし、出会えなくても理解してくれる人が現れるかもしれないよ。大丈夫だよ」と伝えたいなと思います。

 

とはいえもしわが子に実際にそんなことが起こったら…穏やかではいられないかも(笑)。
愛田ぱんさんイラスト

夫とは実は正反対 だからこそ良かったことも

── はからずも旦那さんの作ったおみそ汁に救われたそうですが、ほかに「同じなんだ、よかったあ」とホッとするような出来事はありましたか?

 

愛田さん:

あんまりないかも…。実際、正反対なことばかりなので。だからこそ、大根の切り方が同じだったときはとてもびっくりしました!

 

逆に正反対でよかったなと思うことは多々あります。私が感情的に処理しようとしていた問題を、理性的な夫の助言のおかげでうまくまとめることができたり。

 

ちなみに夫にも同じでよかったことがあるか聞いてみましたが「人と何かを共感したいと思ったことがない」と言われ、「そ、そんな人もいるのか…」と驚きました(笑)。

 

── それだけ冷静な旦那さんなのですね(笑)。家事もお得意そうな印象ですが、分担はされていますか?

 

愛田さん:

夫が几帳面な人でゴミの分別とゴミ出しが得意なので、完全に甘えています。私は子どもが好きな食べ物・嫌いな食べ物を把握しているので、もっぱら料理担当ですね。他の家事についても、自然にお互いの得意なものをそれぞれ担当しています。

 

わが家はこんな感じでなんとか回せていますが、ワンオペだともっと苦労するだろうな…と想像します。

 

── コロナ禍の今は思いどおりにならないことも多いですよね。仕事と家事・育児はどのように両立していますか?

 

愛田さん:

今は連載のお仕事を持っていないので、がむしゃらに仕事をして家事と育児も必死にやる…という状況ではないのですが、今後お仕事が増えたら、食事をほぼテイクアウトにするとか、家事を最低限まで減らすと思います。

 

今はコロナの影響で急に休園・休校になったり、在宅勤務ができても小さい子がいて思うように仕事が進まなかったりと大変な状況のなか、歯を食いしばって頑張っているお母さんはたくさんいると思うんです。その方々にどうやって両立しているのか、お話を聞きたいくらいです。

 

── 私も子育て中で仕事との両立に苦労していますが、自分にご褒美をあげてのりきっています(笑)。愛田さんはパンが大好きということで、パンを題材にした漫画『ふかふか放課後パンくらぶ』を描かれていますが、疲れたときはやっぱりパンをご褒美に?

 

愛田さん:

疲れたときはとにかく甘いものやフワフワしたものを食べたくなりますね。パン屋さんの食パンの白いところだけをひたすらムシャムシャ食べます(笑)。もちろん、後から耳もちゃんと食べますよ。パンだけじゃなく、息子が好きなチョコなど甘いお菓子のストックをこっそりもらったり。やっぱり、食べることって大事だなと思います。

 

 

小学校時代、「私だけが変なの!?」と密かに傷ついた出来事が、パートナーによって20年ぶりに肯定され、救われたという愛田さん。Twitter上に共感してくれる人がたくさんいることにも励まされたそうです。とても明るい気持ちになれるツイートでした!

取材・文/望月琴海