昨年第二子となる男の子を出産し、現在2人の息子さんを育てている安田美沙子さん。
旦那さんとどのように育児に取り組んでいますか?という質問に答えてくれたエピソードは、ママなら誰もが「わかる!」とうなずいてしまうものばかりでした。
「もう泣きたい!」と思うのは毎日
── 旦那さんはデザイナーで実業家ですよね。安田さんは芸能人。2人の息子さんの育児は夫婦でされていると思いますが、お仕事柄、スケジュール管理は大変なのでは?
安田さん:
夫婦ともに土日休みという職種ではないので、スケジューリングは本気で大変です。それぞれの仕事や、子どもの予定は、「TimeTree」というカレンダーアプリで共有しています。
── こちらが完璧なスケジュールを組んでも、子ども相手だとその通りに進まないこともありますよね。
安田さん:
そうなんですよ!
想定通りにならなくて「もう、遅刻するー!」はいつも言ってるかも。しかも、ちょっと目を離すとすぐに兄弟喧嘩が始まったりするんですよね。
昨日も、下の子はテーブルに登りだすわ、上の子はレースのカーテンしか閉まっていないのに、お風呂上りに素っ裸で出て来て窓のほうへ行くわ…。「もう泣きたい!」と思うような瞬間が毎日のようにあります。
── ヤンチャ盛りの男の子2人…確かに忙しそうですね。
安田さん:
忙しすぎて、夫にイライラしちゃうことも、正直あります。
たとえば私、「明日は仕事で早く出ないといけないから」と思って、前日のうちにガパオを仕込んでおいたんですよ。鶏ひき肉やお揚げ、にんじんにケールに小松菜まで切って下準備して。
── え、ガパオ…?朝から豪勢ですね。
安田さん:
そうですか?ガパオなら、子どもたちは混ぜご飯みたいな感覚で簡単に食べてくれるので最近よく作るんです。
だけど食卓に並べていざ食べようとなったときに、夫が炊飯器に残ったご飯をタッパーに詰めたり洗い物をはじめて…。
「夜のうちに準備したものを明日の朝みんなで揃って食べようって言ったよね?だったら、まずは食べようよ」となりましたね。
── 夫の家事が妻側の希望と違っている、というのは多くの夫婦が抱える問題かも。洗いものも大事だけど、安田さんの思っていたタイミングと違ったんですよね。
安田さん:
そうなんです、綺麗好きな人だから、そういうマメさはありがたいとは思うんですけどね…。難しいです。
「夕飯行く行く詐欺」にもしょんぼり
── 他にもタイミングが合わない!と思うことはありますか?
安田さん:
夫が出先から「今夜は家族で外食しよう」と連絡してきたときも、すれ違いましたね。
7時から外食しようと決めたのは夕方の5時半。私は子どもと家で待つことにしたんです。
子どもたちには夕飯に支障のない程度の軽食を与えて待っていたんですが、「お腹減った、もっと食べたい」ってなっちゃって。
夫も結局7時に帰宅できず、おにぎりを少しずつ食べさせていたら、子どもの食事が終わってしまったんです。
夫に「ごめん、もう食事行けないわ」と連絡を入れました。
── それは提案してくれた旦那さんも楽しみにしていた安田さんも残念でしたね。
安田さん:
「コーヒーと子ども用のお菓子ストックが今日の私の夕飯だ…」って、写真をメールしました。
そうしたら、さすがに申し訳ないと思ったのか、お弁当を買ってきてくれましたね。
── なんだか…かわいらしい伝え方ですね。
安田さん:
いえいえ、「夕飯行く行く詐欺だ!」って言っちゃったりしました。
── その言い方も安田さんが言うとかわいらしく聞こえますが、どれも家庭における「あるある」な気がします。
安田さん:
ですよね。
食事に誘ってくれるのは嬉しいんですけど、お腹が空いた子どもたちはそんなに長くは待てない。子どもと接する時間は夫より私のほうが長いので、経験値が違うのはわかるけど、遅いんだよなぁ、わかってないなぁ…って、ついイライラしてしまいます。
だから、子育てしているご夫婦、みんなすごいんだなあ!と…。本当に尊敬します。
夫は息子たちと仲良しで寝かしつけも上手
── 旦那さんは、息子さんたちとどのように関わっていらっしゃいますか。
安田さん:
夫と息子たちは仲良しです。
寝かしつけも「ママじゃなきゃ寝ない」なんて子どもたちがグズることもありません。夫が夜家にいる日は、やっぱり私も助かるし嬉しいですね。
子どもと一緒に出かけるのも得意で、よく子どもを連れ出してくれます。先日は地方出張に長男を連れて行って、「はやぶさ(新幹線)を見せて来るわ」と張りきっていました。
── 新幹線!多くの男の子の親が通る道ですね。
安田さん:
「えっ、仕事現場に連れて行っていいの!?」と思ったりしましたけど、出来るものならぜひ!という感じでお願いしました。私も夫も自営業なので、休めるときに休むというのを基本スタンスにしています。
── たくさんのご夫婦の話を取材しますが、綺麗好きで、子どもともよく遊んでくれるステキな旦那さんだと感じます。
安田さん:
そうですね。
たまに何とか時間を作って夫婦で出掛けても、結局話題は子どものことばかり。何よりも子どもを愛しているということに関しては、2人とも同じなんですよ。そう考えると、お互い未熟だけど、この人と結婚してやっぱり良かったと思います。
私も夫もまだまだ親としては新米。世の中の先輩パパママをリスペクトしつつ、私たちなりに成長していきたいですね。
PROFILE 安田美沙子さん
82年京都府生まれ。ドラマや映画等で活躍する傍ら、フルマラソンにも挑戦。31歳で結婚し、現在は男児2人のママ。食育インストラクターの資格取得や和ブランド『FOUR O FIVE』プロデュースなど精力的に活動中。2022年1月13日、ライフスタイルブック『安田美沙子のRunから始まる笑顔な暮らし』(小学館刊)を発売予定。
取材・文/井上佳子 撮影/坂脇卓也