「ごはんと旅は人をつなぐ。」をテーマに、おいしいごはんや素敵な旅を通じて、人と人を繋ぐ。そんな活動をしている料理家・ダーダこと山田英季さんによる、連載エッセイ。

 

山田さんが「とにかく、今これが食べたい気分」な美味しいレシピを、作っているときの熱量も一緒にお届けします。

#14 えびと豚肉のパクチー鍋

あっという間に年の瀬ですね。

 

11月あたりから、冷蔵庫の中と睨めっこをして、この調味料は、年を越せるのだろうか?と思いをめぐらせ、ナンプラー、オイスターソース、タバスコあたりが気がかりでなりません。

 

それに「年末年始は、和食が多いし、年を越したからって」とも考えてしまいます。

 

そこで思いつきました。このあまりがちな調味料で、料理を作ろうと思います。

 

さて、まずは常用できるようなメニューを考えます。

 

炒め物や、煮物などもいいですが、冬といえば食卓にお鍋が多くなりますし、外はピューッと冷たい風が吹き、お鍋ならポカポカあったまって美味しいですからね。

 

では、年の瀬に冷蔵庫の片付け、あまりがちな調味料でつくる「えびと豚肉のパクチー鍋」のはじまりです。

 

まず、玉ねぎはくし切りにします。甘味がある野菜を入れると「おだし」に深みが出ます。

 

にんにくとしょうがも入れて、個性的な調味料に負けないようにしましょう。パクチーは、仕上げにサッと入れたいので、大きめに切っておきます。

 

鍋に、オリーブオイル、にんにく、しょうがを入れて弱火で炒め、香りを引き出します。

 

そこへ、合わせだしを加えます。この時点ですべてを受け入れてくれそうな、おいしそうな湯気に成功を確信します。

 

ひと煮たちさせたら、ナンプラー、タバスコ、オイスターソース、塩、黒こしょう、レモン汁を入れて、味をつけます。

 

そこへ、豚肉とえびを入れて火が通るまで煮込み、食べるときにパクチーをバサッと加えればできあがりです。

 

さて、実食。

 

海老と豚肉のうま味に、ナンプラーとオイスターソースが、深みを出してくれています。そこにレモンのすっきりとした酸味とタバスコのピリリとした辛味がやみつきです。

 

タバスコは、とてもいい仕事をしているので、お好みでたしてもいいかもしれないです。

12月の台所三箇条

  • 冷蔵庫にあまりがちな調味料をたくさん使おう。
    • たまに使う調味料は、だいたい鍋で使えちゃう。
    • キレイになった冷蔵庫においしいものたくさん入れよう。

「えびと豚肉のパクチー鍋」

本日の材料 ふたり分 (調理時間:30分)

・えび(殻付き)……………8尾
・豚肉(しゃぶしゃぶ用)…200g
・玉ねぎ………………………1/2個
・しょうが……………………1かけ
・にんにく……………………1かけ
・パクチー……………………1束
・和風だし(カツオと昆布)…1ℓ

<A>
・ナンプラー…………………大さじ1
・オイスターソース…………大さじ1
・塩……………………………小さじ1
・タバスコ……………………小さじ1/2
・黒こしょう…………………たっぷり
・レモン汁……………………大さじ2

作り方

①玉ねぎは、くし切りにする。しょうが、にんにくはみじん切りにする。パクチーは3㎝幅に切る。
②鍋にオリーブオイル、しょうが、にんにくを入れて弱火で、香りがでるまで炒める。
③❷に和風だしを注ぎ、ひと煮立ちさせ、<A>と具材を入れて、食材に火が通るまで煮込む。

料理製作・文・写真/山田英季 構成/松崎愛香