令和3年の文部科学省の調査で、小学校・中学校の不登校児童生徒の数は181,272人と前年度の164,528人を1.5万人近く上回っていることが分かりました。

 

1,000人当たりの不登校児童生徒数は18.8人と、過去(平成10年度以降)最多となっています。
ただ最近の国の方針をみると「なにがなんでも学校に戻りさえすればよい」という考え方ではなくなってきているようです。

 

今回は、子供が不登校になったときの選択肢の1つである「フリースクール」について解説します。

増える不登校の子供たち

2021(令和3)年10月6日に開催された「第1回 不登校に関する調査研究協力者会議」では、前年に実施された全国の小中学生の不登校に関する調査結果が報告されました。

 

その中では、記録を取りはじめた1998(平成10)年以来、もっとも多い18万人以上の子供たちが不登校になっていることが明らかになっています。

 

「不登校」とは原則年間30日以上(病気やケガをのぞき)欠席することをいいますが、不登校の子のうち半数以上が90日以上と長期欠席していました。

 

「学校に行きづらくなった最初のきっかけ」のアンケートでは、いじめや先生とのトラブルなどはっきりした理由も見られますが、他にも勉強が分からないことや生活リズムの乱れ・原因不明の体調不良など原因は多岐にわたっており、さらに「自分でもよく分からない」という子も多く、4人に1人の割合でした。

不登校の子へ、国の取り組みは

子供が不登校になったとき、保護者としては子供の気持ちがいちばん心配かと思いますが、同時に気になるのはやはり勉強の遅れや、人との関わりが減ることで社会的な学びの機会が得られないことではないでしょうか。

 

不登校の子のなかには「学校の授業よりも他に学びたいことがある」といった明確な目的を持って自主的に登校しない子もいます。

 

しかし大多数の子は「将来のことを考えると学校には行きたい(または行くべき)だけど、どうしても行けない」と感じているのではないでしょうか。

 

2016(平成28)年に決定された「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」では、基本理念に「不登校児童生徒に対する教育機会の確保」を掲げています。

 

その中の「不登校児童生徒への支援に対する基本的な考え方」では以下のような方針がとられています。(一部抜粋)
・「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す
・校長のリーダーシップの下、教員だけでなくスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとも連携協力し、組織的な支援体制を整える
・個々の状況に応じて、教育支援センター、不登校特例校、フリースクールなどの民間施設、ICTを活用した学習支援など多様な教育機会を確保する
見えてくるのは、とにかく登校さえすれば良いというのではなく、保護者・学校をはじめとするさまざまな人たちが協力し、子供1人1人の状況に応じて、幅広い選択肢の中から最良の方法を見つけていくという姿です。

 

そして、その選択肢の1つとして挙げられているのが「フリースクール」となります。

フリースクールの種類。通うことで問題点はある?

上記で登場する「フリースクール」とは、学校以外で子供たちの居場所や学びの場となる施設全般を指し、個人や民間企業・NPO法人などによって設立・運営されています。

 

日本では1980年代に誕生し、文部科学省の調査では全国に約500か所のフリースクールが確認されています。

 

制度上は教育機関ではないものの、現在では、小学校や中学校の校長判断で、フリースクールに通った日数を出席認定扱いとしたり、フリースクールまでの通学定期券が認められたりするようになっています。

 

フリースクールにもいくつかのタイプがあります。

 

  • 子どもたちの居場所となり、元気を取り戻す手助けをする
  • 学校復帰を目標とした学習指導などを行う
  • 学習障害(LD)や発達障害(アルペルガー症候群)のある子供を専門家がサポートする
  • 心身の疾患を持つ子供を医療機関と連携してサポートする
  • 家から出るのが困難な子供の自宅を訪問する
  • 寮や宿舎で共同生活を行う など

 

設立・運営の目的や理念は施設によって異なるため、その子の状況や希望に合ったフリースクールとの出会いが重要といえます。

おわりに

コロナ禍で「登校しない自由」が認められるケースは増えていますが、不登校の子たちは必ずしも全員が「学校に行きたくない」「勉強したくない」「人と会いたくない」と願っているわけではなく、本来はそうしたいのにどうしてもできずに苦しんでいることも多いと考えられます。

 

そんなときに、居場所や学習の場としての「フリースクール」はとても有意義な存在といえます。

 

実際に通う・通わないに関わらず、一度この機会にフリースクールについて知ってみてはいかがでしょうか。

文/高谷みえこ

参考/文部科学省「令和3年 不登校に関する調査研究協力者会議資料/文部科学省における不登校児童生徒への支援施策」 https://www.mext.go.jp/content/211006-mxt_jidou02-000018318-1.pdf
フリースクール全国ネットワーク「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査の結果(概要)」 https://freeschoolnetwork.jp/wptest/wp-content/uploads/2016/01/fschosa_2015_01.pdf