「周りの人を優先して」そんなふうに育てられた人もいるかもしれません。しかし、自分を大切にしないと起こってしまうことがある、と話すのはシリーズ累計600万部を超える作家の浅見帆帆子さん。自分を大切にしないと起こることとは何でしょう。一方で自分を大切にすると起きてくることもあると言います。その理由を聞きました。

自分が自分を扱っているように人は自分を扱う

──自分を大切にできないことの弊害はさまざまだと思いますが、浅見さんはどんな点に問題があると思いますか?

 

浅見帆帆子さん
ファンクラブ内のイベントで話す浅見さん

 

浅見さん:

自分が自分をどう扱うかは、他人が自分をどう扱うかと同じことなんですよ。自分は他人に丁寧に扱われない、大事にしてもらえないと悩む前に、まずは自分が自分のことを大事にしてあげているか確認することが大切です。

 

「私は、大切に扱われるべき人物だ」と自分自身が思い、そう扱っていけば、他人からの接し方もおのずとそうなるものです。

 

反対に、いつも自分をあと回しにしていたら、それがいいか悪いかは別として、周囲もそう感じとってしまう。引き寄せの法則として「人生は思い通りになる」と言われるのは傲慢な意味ではなく、その人が心の中で思った通りのことをその人が体験している、ということです。

親からの影響は気づいた時点で受けなくなる

── 自分か他人か、どちらを優先するかという発想になりがちですが、そうではなく、それぞれが自分自身を大事に扱うことが必要なんですね。

 

浅見さん:

そうですね。そう思えたら、例え親から「人を優先して」と育てられていたとしても、もうその影響は受けません。自分が過去のあの出来事に影響を受けている、と思っていれば、影響を受けている未来がやってくるというだけなので、自分がいつまでそれを引きずるか、だけです。自分を大事にしないよう育てられたから、と思いたくなる気持ちはわかりますが、自分の捉え方が変われば確実に未来は変わるので、もう人のせいにするのはやめましょう。

 

── 「影響を受けないぞ」と決めることが大事ですか?

 

浅見さん:

影響を受けないぞ、と思うのは余計に意識していることになりますよね。それよりも、「あれは自分にとって、決してマイナスの出来事ではなかったんだ」という捉え方がいいと思います。

 

実際、マイナスの出来事じゃなかったんですよ。例えば今もし育児中なら、親からそうやって育てられたことで、自分は自分の子供に同じことはしないじゃないですか。親のおかげで自分は大事なことに気づけたんですよね。もちろん、同じことを繰り返す人もいると思います。ですがそれも、過去のそのことをいつまでも「失敗、残念なこと、あれのせいで…」と捉えるのをやめると先は変わります。

悔やみ続けると同じことが起きる

── 過去と同じことが起きるのですか。

 

浅見さん:

同じことが起こりますよ。例えば親の価値観を強制されて育ったことをいつまでも考えていると、今度は今の環境で強制してきたり、束縛してきたりする人が現れるんです。でも「当時は辛かったけど、これからの私にはなんの影響もない!」そう思うと、今日から影響を受けなくなるんです。すべてのことがそうなんです。だから、いくらでも自分の意識と思い方で人生を変えられるというのは本当なんですよ。

 

信じ込める状態になるまでになるにはどうしたらいいですか、と言われますが、どっちがいいかなというときに、自分がラクになるのはどっちの方かな、という方で選択をとることは大事です。

自分がラクになるは「正解のサイン」

── こんなラクをしていいのだろうか、と悩んできそうですが。

 

浅見さん:

ラクっていうのは、漢字の楽しいと一緒の字ですが、「あなたがそっちに進んで正解」というサインなんです。自分からの感覚、サインなので、人と違います。自分を大切にする第一歩だと思って「ラク」を味わうことも自分に許可してあげてください。

 

PROFILE 浅見帆帆子

浅見帆帆子さん
作家。東京生まれ。大学卒業後ロンドンに留学、帰国後出版した『あなたは絶対!運がいい』他、著書はシリーズ累計600万部を超え、世界でも出版されている。近著は『やっと本当の自分で生きられる』。連載、講演、YouTube、ファンクラブを通し、読者との交流も活発に行う。

取材・文/天野佳代子 写真提供/(株)ホホコスタイル