「家庭料理は10品でいい!」、その理由
それは家庭料理について取材でのこと。 「どうしたらラクにおいしく作れるか、マンネリを打破できるか」と、どうにかコツを聞き出そうとする私に、
「だいたいさ、家庭料理なんか抜群においしくなくてもいいし、メニューは10品もあれば十分なんだよ」と言い放ったのです。
え~~~!? 10品じゃ無理だよぉ~~( ノД`)
でも、彼に言わせると「家庭料理は同じようなものが繰り返し出てきていい。昔からそんなものだ」だと言うのです。 「いつもいつも新しいメニューを考えたり、とびきりおいしく作るのは、お金をもらってお客さんを呼び、楽しませるプロの料理人のすること。その感覚を家庭に持ち込む必要はないんだよ」
「家庭料理なら、そうだな~、10品。家族が喜んで食べてくれる料理が10品あれば、なんの問題もない。それを堂々と繰り返し作ればいい。あとは旬の材料を使っていれば、自然と変化はつくし、安くておいしいごはんが作れる」 「方法」を聞きたいのに、考え方そのものの話をされて最初は肩透かしにあった気分。でも、いつも何を作ろうかとメニューに頭を悩ませていた私に、この発想転換は斬新でした。 彼の話を聞いているうちに、「そうか、なるほど…10品でいいならできるかも」という気持ちになってきました。さすが三ツ星、いいこと言うじゃん! 自分の作る料理はいつも同じようなもので、変化もなけりゃ、洒落っけもないと思ってきたけど、そもそもそんなものなのか! 逆にこのセンで堂々と進めばいいのか!!