今年4月に自身初となる男性ファッションの指南書『男子ファッション最強図鑑』を上梓した人気スタリスト・山本あきこさん。前回記事
(※)では、実は気づいていない人が多い「ファッションの黄金比率とそれを叶えるテクニック」について解説してくれました。
今回は、夫のファッションコーディネートを妻がさりげなくサポートする極意を伺います!
男性ファッションは「逆三角形シルエット」を意識するとうまくいく!
── 夫の残念なファッションをどうにか変えたい…という妻は多いと思います。コーディネートをサポートする場合、体型によって気をつけることは変わりますか?
山本さん:
ぽっこりおなかや太い二の腕など、体型に関する悩みは尽きないものですよね。でも、スタイリングを考えるときに一番大事なのは全身のバランスです。
ありがちなのが、欠点を隠すアイテムを選んだ結果、全身のシルエットのバランスが悪くなってしまった…というケース。気になる部位だけを見てコーディネートを考えても、結局野暮ったく仕上がってしまい、すべてが台無しになってしまいます。
そういった失敗を避けるために、男性は逆三角形のシルエットになるよう意識してコーディネートしましょう。逆三角形のシルエットとは、たとえるならアメフトの選手のような肩が大きく、足もとにかけてほっそりするあのかたちのこと。何より男性らしさを象徴するかたちだと思うんですよね。
── 確かに!頼りになるって感じがします(笑)。逆三角形を叶えるスタイリングのポイントは何でしょうか。
山本さん:
逆三角形のシルエットには、首から肩にかけてのラインに何かしらアクセントを持ってくるのがポイントです。大袈裟なことではなくて、例えばYシャツの襟を開けたり、ポケットチーフで胸元を飾るだけでもいいんです。ネクタイピンでネクタイを少しふっくらさせる、メガネをかけて顔まわりを飾る、とかもいいですね。
その一方で、ボトムはテーパードシルエットのような細身のタイプで足先にかけて細くなっていくようにスタイリングしましょう。どんな体型の方でも、このシルエットになるように工夫すれば、スッキリして見えると思いますよ。
共通のアイテムや色を使って夫婦でファッションを楽しむ
── 最近、ファッションアイテムを夫婦でシェアされる方もいらっしゃいますが、山本さんはいかがですか?
山本さん:
わが家ではバッグやパンツをシェアしています。バッグは「オーシバル」や「L.L.ビーン」。「ユニクロ」のトートバッグや「無印良品」の黒のリュックもシェアしていますね。バッグは比較的シェアしやすいと思います。
── パンツもシェアしているんですね!男性ものだとサイズがゆるくてなかなか合わせるのが難しそうですが…。
山本さん:
それが、そうでもないんですよ。男性のパンツはポケットの形にしても、シンプルで削ぎ落とされたデザインが多くて好きなんですが、ウエストはベルトで締めて調整すれば問題なく履けます。最近はウエストを紐で調整できるドローコードタイプも増えていますから、女性でも履きやすくなっています。
「今日はリラックスした服で過ごしたい!」という気分の日はもっぱらパートナーのクローゼットから借りて履いたりしています。
── 確かにミニマムなかっこよさがメンズのパンツにはある気がします。もし女性が試すならどこのブランドがおすすめですか?
山本さん:
おすすめはサイズ展開豊富な「ユニクロ」。「ユニクロユー」や「+J」はシンプルで洗練されているので、毎シーズン必ずチェックしています。小さいサイズもあるので女性でもトライしやすいのではないでしょうか。
── 最近は、ユニクロのメンズ売り場に女性の姿もちらほら見かけますよね。山本さんがご夫婦で服を合わせたりシェアするときに気をつけていることは何ですか?
山本さん:
“さりげないお揃い感”は意識しますね。たとえば、パートナーはよくカーキのアイテムを着るので、その色を拾って私は持ち手がカーキ色のトートバッグを持つ、という具合に。
あとは、並んで歩くことをイメージして色のトーンを考えたりもします。パートナーのカーキ色のファッションに合わせて、私はブラウンでまとめ、サファリカラーで揃えたり…。ペアコーディネートはちょっと照れてしまうので、あからさまにならないようにしています。
今すぐゲットしたい旬のアイテムは?
── もうすぐ父の日ですよね。パートナーにおしゃれなアイテムをプレゼントするなら、どんなものがいいでしょう?
山本さん:
今年らしいデザインのプチプラアイテムはどうでしょう。先ほど紹介したトートバッグもいいですし、シューズもおすすめ。最近の商品は本当にレベルが高いんですよ!気軽にプレゼントできるし、きっと大活躍するはずです。
…
女性が聞いても勉強になるファッションの極意をじっくり解説してくださった山本さん。手持ちのアイテムでもすぐに実践できるテクニックがたくさんありました。きっとパートナーとのおしゃれを楽しむきっかけになるはずです。次回はアフターコロナの女性のファッションについて語っていただきます!
Profile 山本あきこさん
女性誌や広告など数多くの媒体でスタイリストとして活躍。「センスは持って生まれたものではなく鍛えられる」という信念のもと、一般女性向けにスタイリングアドバイスを行う活動を開始すると、予約開始と同時に申し込みが殺到。「予約の取れないスタイリスト」に。今まで関わったクライアント数は1万人以上、つくったコーディネート数は35万を超える。最新著書『見るだけでパっと決まる! 男子ファッション最強図鑑』(かんき出版)が好評発売中。6月4日には、新著の発売を記念した無料のオンライントークライブを開催予定。
スタイリング/山本あきこ イラスト/ma2 取材・文/望月琴海 撮影/古水 良
※紹介した商品はすべてスタイリスト私物です。