©︎2022「ねこ物件」製作委員会

猫付きシェアハウスを舞台に、猫を通じて人の繋がりや新しい家族の形を描くドラマ「ねこ物件」(放送中)。

 

猫を愛すシェアハウスのオーナー、二星優斗役を演じる古川雄輝さん自身も猫が大好きで猫との共演をとても楽しみにしていたそうです。

猫好きの知り合いも役づくりの参考に

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── 人付き合いの苦手な優斗、台本を読んだときの印象を教えてください。

 

古川さん:

優斗は少し変わっている人なのですが、猫好きな人って少し変わった人が多いなと感じていたので、猫好きな人たちの特徴を捉えた主人公だと思いました。

 

彼はもう30歳なのに、働いたこともなくて世間知らず。社会のことはあまり分かっていないけれど、猫のことはとにかく好きで、かなりの情熱を持っている。優斗レベルには到底及ばないけれど、自分自身も猫が大好きなので、出演が決まったときは本当にうれしかったです。

 

── 猫好きという共通点から、優斗の気持ちを理解できる部分もありましたか?

 

古川さん:

知り合いにかなりの猫好きで、世間から見ると少し変わったタイプの人がいたので、参考にしつつ、特徴を捉えながら演じたところはあります。

 

例えば、第1話、不動産屋さんで「働いていますか?」と質問されて、「働いていません」という受け答えをするシーン。あれって、一般的ではないですよね。普通は彼くらいの年齢であれば、少しうつむきながら答えるところ。でも、彼は「働いていないことの何が悪いの?」という感じで、すごく堂々としている。そのあたりの表現はかなり工夫しながら演じました。

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── 台本を拝見したとき、ちょっと変わっている、変人ぶりがおもしろそうだなと思いました。

 

古川さん:

本読みや衣装合わせの段階から「どのくらい変にしますか?」という話をしていました。ただ、監督からは「なるべくナチュラルで」とリクエストされました。少し変わったキャラクターだけどわざと変にするのではなく、「あぁ、そういう人なんだ」と感じてもらえるナチュラルに変わった人を意識するようにしました。

猫の動きで台本が変わることも

── 猫のチャーちゃん、クロちゃんとの共演はいかがでしたか?

 

古川さん:

クロちゃんは撮影には不向きな性格、とすぐに分かりました。典型的な人見知りで人を見ると隠れちゃうようなタイプだったので。チャーちゃんはとても好奇心旺盛です。

 

台本は猫にあてがきしている部分もあり、猫の動き優先で台本の内容が変わることもありました。繋がりを考えたり、目線を合わせたり、1か月半の撮影中は、芝居以外にもやらなければならないことがたくさんあって、猫は大好きだけど、猫との撮影は大変だと感じました。

 

── 仲良くなるためにやったことはありますか?

 

古川さん:

最初は指で挨拶をして。あまり構うタイプの動物ではないので、匂いを嗅がせたり、抱っこしている感触で「なんとなくこういう子」というのが分かるので、その感覚にあわせて芝居を構成するようにしていました。ここは抱っこしていたほうがいいなとか、抱っこすると芝居がやりにくいな、など考えましたが、基本は猫優先というのはずっと変わらなかったです。

 

スタッフさんが全員猫が得意というわけでもないので、少しずつ慣れてもらえるよう、「このシーンは少し扉を閉めましょう」とか「そのやり方は、猫が疲れちゃいます」など自分からいろいろ提案したり、猫が気持ちよく動けるような話し合いをたくさんした現場でした。

 

── 特に大変だったシーンはありますか?

 

古川さん:

外に連れ出すシーンです。家猫なので、外で猫を抱っこすることって、まずないので、かなりドキドキしました。立花修役の細田佳央太くんの足に猫が近づき「(入居審査)合格です」というシーンがあるのですが、足に猫が近づくなんてタイミングよくできるものでもないので、猫のカットをまとめて集中して撮るなど工夫をしていました。

 

もし、猫が足に近づかなかったら…を想定して、2パターンの芝居をするということも珍しくなかったです。猫がいい芝居をしているのに、自分がセリフを噛んでしまったら大変なので、そういうプレッシャーもある現場でした。

寒い現場で猫に癒やされるスタッフが続出

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── 「猫と暮らすことは発見」というフレーズも出てきますが、改めて発見した猫の魅力はありましたか?

 

古川さん:

猫の媚びないところが好きなのですが、今回の撮影では「猫はやっぱり癒やしの存在だな」と感じました。

 

舞台のシェアハウスが古民家なので、撮影中はけっこう寒くて。みんなもモコモコした厚手の靴下を履いていました。暖房もきかないので、室内だけど過酷なくらい寒かった。

 

そんな環境で、朝から晩まで毎日撮影しているなか、猫がいると癒やしになるんですよね。日に日に猫と触れ合うスタッフさんが増えていって…。最初はそんなに触っていなかったのに、徐々に距離が縮んでいくのが分かりました。暖かいからというのもあったかもしれません(笑)。

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── 最初の住民になる細田さんの印象を教えてください。

 

古川さん:

撮影中に20歳の誕生日を迎えられたのですが、誰よりも真面目で、誰よりも大人だと思いました。しっかりしているし、周りもちゃんと見えていて、気遣いもできて、本当に感心しました。僕が20歳の頃は、あんなにしっかりしていなかったです。礼儀正しくて、真面目で、かわいいから、どこかに連れて行ってあげたいと思っちゃうくらい、本当にいい子です。

 

── 猫がいて、共演の方もいい子で、雰囲気の良い現場の空気感が伝わってきます。

 

古川さん:

雰囲気の良い現場になるといいなと心がけていたところはあります。普段あまり共演の方とお話しするほうではないのですが、今回の場合、舞台がシェアハウスで若い人たちとワイワイする雰囲気も大切だと思ったので、自分なりにがんばってコミュニケーションをとっていたつもりです。

 

でも、頑張ったのは最初だけ。慣れてきたら、自然とみんなワイワイという空気になったので、途中からは「みなさんご自由に」という感じで流れにおまかせしていました(笑)。

 

── ドラマの注目ポイントをお願いします!

 

古川さん:

玄関前の「ただいま」と「おかえり」のシーンが印象的なドラマです。最初は僕一人で緊張して入居者を迎え入れていたのですが、次第に猫を抱っこしたり、隣に猫を抱っこしている人がいたりと、入居者が増えるごとに迎え入れる雰囲気に変化が出てきます。

 

入居者の面接も同じで、面接する側の家族が増えていきます。名札の数が増えていくのも関わる人が増えていくのを特徴的に表しています。人付き合いが苦手な優斗が、人との触れ合いで成長していく姿をゆっくりと描く素敵な作品です。