猫と一緒に取材に応じてくれた古川雄輝さん

ドラマ「ねこ物件」(放送中)で猫を愛すシェアハウスのオーナー、二星優斗役を演じている古川雄輝さん。

 

ドラマに出てくる「猫と暮らすことは発見」というフレーズのように、撮影現場でも芝居に関する「発見」があったそうです。

アドリブ女王に刺激された撮影現場

長井短さんとの仕事に刺激を受けたと話す古川雄輝さん

── 思い通りに動いてくれない猫との撮影では、対応力が求められたそうですね。

 

古川さん:

自分はしっかり構成を作ってやりたいので、アドリブはほとんどやらないタイプです。でも、今回は、広瀬有美役の長井短さんが、アドリブ女王と呼ばれるほど、とてもお上手で。

 

長井さんのアドリブに引っ張られることで、芝居がうまく構成されて次に活かせることが出てきたりして、とても勉強になりました。

 

長井さんはアドリブをした後に、セリフをひねるんです。野球で言うとみんながストレートでセリフのやりとりをしているのに、一人だけ変化球を投げてきます。それが本当におもしろくて。その変化球を受けてあげたいという気持ちになるんです。

 

ストレートで構成してきているはずの人たちも、気づいたらみんな変化球を投げている。すると、芝居が動くんです。気づけば長いアドリブシーンになっていることもありました。

 

── 朝ごはんのシーンも印象的でした。

 

古川さん:

グルメドラマと思うくらい、ご飯のシーンが出てきます。料理は得意ではないけれど、毎日しているので、撮影での苦労はそれほどなかったです。ただ、料理の上手な人の動きに見せなければいけないので、そういう所作は少し大変でした。

 

徐々に入居者が増えるので、準備する食事の量も増えるし、猫も同じご飯を食べるという設定なので、猫が食べてくれるかどうかも毎回ドキドキしていました。

 

朝ごはんを食べるシーンの撮影が終わったタイミングでお昼休憩だったときは、その朝ごはんをみんなで食べました。鶏胸肉の塩麹焼きがとても美味しかったです。

 

── 朝ごはんを食べるまでの朝のルーティーンも丁寧に描かれます。古川さんの朝のルーティーンを教えてください。

 

古川さん:

コーヒーを飲むことです。株価をチェックするために、市場が開く前に起きて、コーヒーを飲みながらチェックする、これが自分の朝のルーティーンです。

役者だからといって芝居だけではダメ

役者という仕事についての質問に答える古川雄輝さん

── シェアハウス入居者への7箇条にちなみ、古川さん自身が、役者として自分に課していることをお聞かせください。

 

古川さん:

基本的なことですが、手を抜かないことです。

 

でも、メリハリをつけたほうが上手くいく場合もあると感じています。役者だからといって芝居をするだけではダメ。スタッフさんとの関係性が成り立って、作品ができ上がります。100%の力を入れて芝居をしたら、こだわりが強くなるから、意見がぶつかって成立しません。

 

役者はこだわる職業なので、こだわり始めたらエンドレス。この芝居が納得いかないと言い出したら、撮影は進まなかったりします。手を抜かないことを頭に入れつつ、状況に応じてほどよくメリハリをつけることが一番だと思います。

 

これ、とても難しい質問だから、2時間くらい飲まないといい答えが出てこないかも(笑)。

 

── ドラマでは“猫つき”でしたが、古川さんはシェアハウスに興味はありますか?

 

古川さん:

寮生活はしたことがあるので、共同生活の経験はあります。ただ、寮とシェアハウスだと、付き合い方とか少し違う感じがしますよね。自分はすすんでしたいとは思わないかな、ひとりのほうが好きなタイプなので。

 

── では、シェアハウスのオーナーになるとしたら、どんな条件を出しますか?

 

古川さん:

共同の場所をしっかり清潔に保つこと。イベントごとを強要しないこと、くらいです。

「ポジティブ的なことがあまりない(笑)」

── 人や猫との繋がりを通して、変化、成長をしていく物語です。古川さん自身には変えたいことはありますか?

 

古川さん:

自分のことはあまり好きじゃないので、ほぼ全部変えたいです。ポジティブなタイプじゃないから、自分の嫌なところばかり見てしまいます。

 

自分が気になるところを変えようと、これまでいろいろ努力はしてみました。でも、意外と難しくてあまりうまくいかないんですよね。多少改善はしても、完全に変えるのは難しいのかなと感じています。

 

── 夢を持つ人のためのシェアハウスですが、古川さんがこれまでに叶えた夢、もしくはこれから叶えたい夢はありますか?

 

古川さん:

あんまりないんですよね。「こうなりたい!」「こんな夢を叶えたい!」というポジティブ的なことがあまりない(笑)。自分自身をどうしたい、というよりも、誰かのために何かをしたい、そのために自分はどうすべきかみたいなことはたまに考えます。

 

PROFILE 古川雄輝さん

1987年生まれ、東京都出身。2022年の出演作はドラマ「liar」「神様のえこひいき」など。5月スタートのドラマ「嫌われ監察官 音無一六」、6月には主演舞台「室温~夜の音楽~」が待機中。また、中国版Twitter “Weibo”でのフォロワーは440万人を超えるなど絶大な人気を誇る。

取材・文/タナカシノブ ヘアメイク/赤塚修二(メーキャップルーム) スタイリスト/五十嵐 堂寿