その見た目やタイトルとは裏腹に、作って見ると、実に思いやり深いレシピなんですよ。 まず、材料に使うのはパスタ用のカルボナーラソースだということ。グラタンといえば子どもたちにも大人気のメニューで、わが家でも毎週末のように作っているが、ひとつ引っかかるのがホワイトソース。小麦粉から作るにはちょっと手間だし、ホワイトソース缶だと値段の割に1缶だとものたりないことがある。それが、濃厚なカルボナーラソースなら、1袋でも満足できる味に仕上がるうえ、手軽でコスパにもすぐれているというわけです。 次に、この食パンがまたいい仕事をするんです。ビジュアルありきのように見えますが、この食パンが器がわりになることで、洗いものの手間が省けます。グラタンといえばあの、カリッとこげた表面がなにより食欲をそそるのですが、その反面、グラタン皿の周囲にこびりつくとなかなか擦っても落とせない。それがパンの器なら…ね。食後のママのことにまで気を配ったレシピなのです。マカロニがわりにパンの中身を使うことで、マカロニをゆでる手間までカットできることは、いうまでもありません。 さらに、家族から喝采があがるこのインパクト。カリッと香ばしく焼けたパンに染み込む、カルボナーラのうまみ。食べた人をとりこにし、残さずきれいに食べさせるほどよい濃厚さ。 こういう気がきくレシピこそ、本当に使えるレシピだと思うわけです。

フードコーディネーター&パンコンシェルジュルが教える
誰でも失敗しない簡単レシピ
食パン1斤で!カルボナーラパングラタン

 

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【材料(1個分/約3〜4人前)】

食パン……1斤

玉ねぎ……1/4個

ほうれんそう……2株

ベーコン(ハーフ)……8枚

カルボナーラソース(パスタ用)……140g

牛乳……大さじ1〜2

ピザ用チーズ……適量

温泉卵……1個

サラダ油……小さじ1

粗びき黒こしょう……適量

 

【作り方】

1.玉ねぎは薄切りに、ほうれんそうは3〜4cm幅のざく切りにする。食パンは耳を残して内側をくりぬく。くりぬいた中身は厚みを3等分にし、綿棒でたいらに伸ばす。

2.フライパンにサラダ油を熱し、①を炒める。玉ねぎがしんなりしたら、カルボナーラソースを加える。牛乳でとろみを調整する。

3.食パンの底に、ベーコンを2枚並べ、その上に②、ピザ用チーズ、食パンの中身を順にのせる。これを3回繰り返す。

4.③に残りのソースをのせ、温泉卵をのせる。ピザ用チーズを散らし、220℃に予熱したオーブンで10分ほど焼く(はしがこげやすいので、途中アルミホイルをかけるとよい)。

5.器に盛り、粗びき黒こしょうをふる。

 

料理製作・スタイリング/佐藤かな子 撮影/前田アキラ