使用済みのペットボトルをすすぐ、洗剤を詰め替える、などの名もなき家事。

 

ふと気づくと、なぜかいつも私がやっている…ということはありませんか?

 

なんとなく不公平に感じるものの、その都度夫に「やって」と伝えるのも面倒です。

 

細かな家事も共有し合うにはどうしたらいいのでしょう?心理カウンセラーの五百田達成(いおたたつなり)さんに聞きました。

名もなき家事をやる理由を考えてみる

大人同士が同じ家で暮らす以上、家の中のことはすべて二人で責任を持って、協力し合うのが理想ですよね。名もなき家事も、担当外だからと妻に任せきりにするのはマナー違反。


家事分担をしている共働き家庭でも、夫は名もなき家事には気づきにくいもの。担当外のことには関心が薄いし、モチベーションもないからです。


正直なところ夫は、ペットボトルはすすがなくていいし、洗剤も詰め替えないでボトルを買ってくればいいと思っています。


妻がやるべきと考えている名もなき家事は、夫はやるべきだと思っていないことが多い。

 

やるべきと思っていないことに気づくわけがないですね。


そんな状況の打開策としては「妻も名もなき家事をやらない」という方法があります。名もなき家事をやらなければ、家が荒れていく。妻は「やらなきゃ」をぐっとこらえて、その現実を夫に示しましょう。


夫が「なんだかいつもより散らかっている?」と気づいたら、しめたもの。そこで、名もなき家事をやるべき理由が、初めて理解できるでしょう。


また、名もなき家事を「家族のためだ」と考えている人は要注意です。感謝されないことに腹がたったり、つらくなってしまうからです。


そんなときは、これは「家族のためではなく自分のためにやるんだ」と割り切るのも一つの手。そうすれば名もなき家事に気づかない夫に対して、腹をたてることもなくなります。


それでも生活する中で、自分が負担を感じてつらいなら、まずはその気持ちを夫に共有することから始めてみるといいかもしれません。夫は、妻がつらい気持ちを抱えていることすら気づいていないことが多いです。


その上で、名もなき家事の分担リストを作って可視化したり、やるやらないを二人で話し合って決めるといいでしょう。

監修/五百田達成(いおたたつなり) 取材・構成/早川奈緒子 イラスト/本村誠