親が体験して面白いと思った事を子供に勧める

昨年12月から今年2月にかけて、母である私がまず地元の伝統芸能に挑戦してみて、『温故知新』とでも言いましょうか、古い事にも新鮮な驚きがあることを知り、是非今度は息子に地元の伝統芸能を体験させてみたいと思いました。何かないかと地元の情報を検索してみたところ、市内の子供を対象とした“お囃子体験”なるものを発見!お囃子には篠笛の演奏が必ず含まれるので、母が習った篠笛に関連するものならば興味を持つかと思い息子を誘うと「面白そうだから行ってみる!」との回答でしたので、早速体験会の参加予約を入れました。 そんな訳で、息子の伝統文化体験の様子をレポートさせて頂きます。

 

日本の古き良き伝統を体感!

2月下旬、私と息子は、山に囲まれた自然豊かなエリアにバスで降り立ちました。 このエリアにあります劇場の稽古場が、今回のお囃子体験会の会場でした。私達が会場に入ると、既に20人近くの親子が集まっていました。子供達の男女比は半々位で、小学校低学年の子供達が大半といった感じでした。 私達が到着してから間もなく定刻になり、お囃子体験会が始まりました。 今回実演および指導をして下さったのは、私の地元の有名な催事“八王子祭り”をお囃子で盛り上げている『てんた会囃子連(浜の手流)』の皆様でした。模範実演で演奏と踊りを披露して頂いたのですが、創立以来60年近く地元を盛り上げてきた貫録で、メリハリの利いたお囃子演奏といい、巧みな踊りぶりといい、会員の皆様は老若男女問わず全員パフォーマンスのレベルが高い!模範実演が終わった時は、私達親子含め、体験会参加の皆様は拍手喝采でした。

 

 

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※上の3枚の写真はてんた会囃子連の皆様の模範実演の様子です。 この後いよいよ子供達がお囃子体験をスタート!まずは最初に、お囃子に使う和太鼓の演奏の仕方を学ぶ事になりました。皆で撥(ばち)を持ち、まずは太鼓代わりに古雑誌を叩いて手の使い方の練習をしました。そして楽譜ですが…楽譜と呼んでも良いのでしょうか?カタカナで「テケテンスク ステスクテンスクス(くりかえし)」と表記されたプリントが用意されていましたので、これを見ながら練習しました。てんた会囃子連の会長さんのお話では、お囃子の曲やリズムは、基本口伝で伝えられるそうで、今回用意されたプリントはそれを記載したものだそうです。そういう背景があり、参加者の皆で「テケテンスク…」と口ずさみながら、撥で古雑誌を叩く練習を何回か繰り返しました。 ある程度慣れてきたら、本物の和太鼓を叩かせて頂きました。和太鼓を叩くコツは、なるべく太鼓に張られた革の真ん中を叩く事だそうです。そうすることで、反対側に張られた革が反応して音が非常に良く伝わるのだと、会員の方が図解で説明して下さいました。 実物の和太鼓の練習は、子供達がとても楽しそうに叩いていました。しかし私の息子はいまひとつリズム感が掴めないのか、会員の方にサポートして頂きながら叩いていました…。 太鼓の他に(かね)も練習させて頂きましたが、こちらも息子は若干苦戦気味…慣れないと、なかなかいい具合に音 が出ない様でした。

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※写真左より「撥の使い方の練習」、中央「和太鼓を実際に叩く体験」、右「鉦の模範演奏」 和太鼓体験の後は、お昼休憩を取り、午後はお囃子の“もどき(ひょっとこ)”の踊り方の練習をしました。 もどきの踊りのコツは「膝を上下させてリズミカルに腰を落としながら、指先をしなやかに動かす」ことがポイントだそうです。そして手拭いや扇子等の小道具も効果的に使う事で、踊りにメリハリを付けます。 前半のお囃子演奏では若干手こずっていた感じのある息子でしたが、踊りの方が性に合うのか、楽しそうに練習をしていました。そしてある程度慣れてきたら、ひょっとこのお面を付けて踊るのですが、顔が隠れると怖いもの無しなのか?!息子は結構ノリノリで踊っていました(笑)。 最後に、練習の成果発表という事で、体験会参加者全員がお囃子演奏チームと踊りチームに分かれて成果披露をしましたが、なんと殆どの参加者がお囃子チームに入り、踊りチームは息子含めて3人のみ(汗)。それでも息子はお囃子に合わせて楽しそうに踊っていました。 体験会参加者による成果発表後は、最後にもう一回てんた会囃子連の皆様がプロフェッショナルなお囃子と踊りを披露して下さり、約半日に渡るお囃子体験会は終了しました。

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※写真左より「手拭いを使った演出」、中央「扇子を使って踊る練習」、右「ベテランの見事な踊り」