小学生のお子さんを持つママ・パパ。お子さんの学校では、クラスの子や友だちを「あだ名」で呼ぶことが禁止されていますか?

 

最近、テレビ番組の特集でも取りあげられて話題になりましたが、実は、あだ名禁止や「苗字+さん」で呼び合う決まりの学校・クラスはここ10年ほどで増えているようです。

 

今回は、小学生のお子さんがいるママ・パパを中心に「あだ名禁止」をル―ルとして設定するべきだと思うか、意見を聞いてみました。

 

「禁止もしかたないと思う」「慣れれば平気」

小学校3年生と1年生のお子さんがいるUさん(40歳)は、自身の子ども時代を振りかえってこう話します。

 

「あだ名って、身体的特徴とかトイレの失敗などをネタにするものがけっこうあるじゃないですか。小学校の頃も、ひどいあだ名をつけられている子がクラスに2~3人はいたと思います。 なかには先生にまで呼ばれてた子もいるから、禁止になればホッとするかも」

 

また、4年生のお子さんがいるYさんも、自らの経験を

 

「私は小さい頃からアトピー性皮膚炎で、小学生のときも肌荒れや湿疹がひどかったので、それをあだ名にされて嫌でした。抗議しても、なにムキになってるの?しらけると言われ、辛かったです。嫌と言えない、言っても聞き入れられない環境もあるので、さん付けで統一もやむを得ないのかなと思います」

 

と話します。

 

「今になって騒がれているけど、うちの子たちは、小学校入学時から当たり前だったから、特になにも思わないみたいですよ」(Mさん・42歳・6年生と3年生のママ)

 

という人も。

 

「あだ名が問題なのではなく、いじめが問題」

いっぽう「あだ名を禁止しなくてもいいのではないか」と考える人たちからはこんな意見が出ました。

 

「あだ名が本人も気に入っている愛称だったり、特別仲がいい友だちへの親愛の情を表すときもありますよね。そういうあだ名と、悪口との区別をつけられるよう教えていけばいいのではないでしょうか」(Jさん・35歳・3年生と5歳児のママ)

 

「人が傷つく呼び方はダメ、傷ついたらやめてほしいと伝える…そういう練習を小学生のうちにしておいた方が子どものためじゃないでしょうか。トラブルを避けるために禁止にすれば、6年間はやり過ごせても、将来逆に困りそうですよね」(Fさん・36歳・2年生のママ)

 

Tさん(39歳・5年生の双子のママ)は、自身の子ども時代、ニックネームで呼ばれるのがうれしかったといいます。

 

「私は父が外国人だったので、苗字は長く発音しづらいものでした。なので、新学期に仲良くなった友だちに、下の名前やニックネームで呼ばれるようになったときはいつもホッとしたものです」

 

古風すぎる名前やキラキラネーム、本人の性自認が名前と合っていないなど、大人でも子どもでも「本名で呼ばれたくない」と感じている人はいます。

 

他にも、

 

「うちの子の仲良しさんは同じ苗字なので、保育園では愛称で呼び合っていました。小学校では先生から苗字にさん付けで呼びましょうと言われ、学校では同じ呼び方なんですよ」(Eさん・1年生と3歳児のママ)

 

というケースも。

 

あだ名禁止に賛成の人は18.5%?

 

日本トレンドリサーチが男女1400人を対象に実施したアンケートによると、

 

「小学校の校則であだ名が禁止されていることについてどのように思いますか?」という筆問に対し、「賛成」は18.5%で、「反対」27.4%、「どちらでもない」は54.1%という結果になりました。

 

ほとんどの人はあだ名で呼ぶことを好ましく感じていることが分かりますが、その反面、あだ名に関して嫌な思いをした人が5人に1人は存在するということでもあります。

 

ほかにも、SNSでは

 

「本人がこう呼んでほしいという自己申告制にしたら?」

 

「一律に校則で決めずに、嫌なあだ名をつけられてみんながやめない時はクラス単位で禁止にしては?」

 

など、柔軟な対応を求める意見も出ていました。

 

おわりに

もし、校則であだ名を禁止すれば救われる子がいるのは事実でしょう。

 

ただ、あだ名が手段として使われなっても、みんなが「相手の嫌がることをしない」という意識を持っていなければ別の方法で攻撃が続くかもしれません。

 

「うちの子の学校はどうなんだろう」と思った人は、この機会にいちど、お子さんと「嫌なことを言われたらどうしてる?」などと話してみてはどうでしょうか。

 

文/高谷みえこ

参考/株式会社NEXER【小学校のあだ名禁止令】あだ名を禁止する校則「賛成」18.5% https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000146.000044800.html
NHKニュース|News Up 子どもはもう使わない?「あだ名」のメリット生かすには https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201019/k10012670411000.html