新型コロナウイルスの影響で仕事を解雇されたり、収入が大幅に減った人のエピソードがテレビなどでひんぱんに報道されています。実際、ファイナンシャルプランナーの私のところにもコロナがきっかけで 収入が半減し、多くのマネー相談が寄せられます。今回は相談事例をもとに、コロナ禍での収入減の実態に迫ります。
※相談者のプライバシーを守るため、職業、家族構成等は変更しております。
30代フリーランス、年収700万円から激減!
Aさんは、会社員の夫と小学1年生の子どもとの3人暮らし。大学を卒業後、出版社に勤務、子育てとの両立を考え5年前にフリーライターとして独立しました。
前職の部署とも関係がよく、他社の人脈も豊富にあるAさんは、順調に仕事を受注し年収は700万円に。ところが新型コロナウイルスが蔓延して以来、仕事が激減したそうです。特に主要な受注先の雑誌が休刊したのは大打撃だったようです。
Aさんは、好奇心旺盛で気になったことは体験してみたいタイプ。コロナ禍以前は、それなりに稼いでいたこともあり、気がつけば、収入のほとんどをヨガ、アロマや美術館巡りなど、自分の趣味や子どもの教育のために使っていたそうです。
夫の稼ぎがあるとはいえ、子どもにもお金がかかる時期。「なんとかしなくては」と思い、人脈を頼って連絡をしてみるものの、取引先も軒並みダメージを受けている状況。コロナ前の収入に戻るまでに相当時間がかかると判断したAさんは、しばらくアルバイトをすることにしました。
応募したのは、自宅近くで短時間働ける「コンビニ」。すぐ働けるだろうと思っていたら、結果は不採用。コロナ禍で「近場」「短時間」志向が高まる中、収入が減少した主婦や学生の応募が急増し、応募が遅かったAさんの採用は見送られてしまいました。
近所のスーパーにも応募してみたそうですが、上記と同じ理由で断られました。正直なところ、フリーになった当初から「仕事に困ったら、コンビニやスーパーで働こう」と考えるくらいでたいした準備もしておらず、途方にくれてしまったそうです。