出産前後~新生児期~赤ちゃん時代とママをサポートしてくれる人のなかで、やはり「実の母」は夫の次…いや、場合によっては夫より頼もしい、という人もいるかもしれませんね。

 

しかし、なかには、実の母の育児のやりかたに違和感を抱いたり、自分の子育てに口出しやダメ出し・干渉をされてイヤな思いをした人も。

 

今回は、実母と育児にまつわるママたちの体験談をもとに、ベストな母と娘の関係性についても考えてみました。

 

ありがたいはずの実母にモヤモヤ…ホルモンのせい?

ネットにもリアルなママ友同士の会話にも、義理の母=お姑さんの愚痴や怒りはよく登場します。

 

いっぽう実の母親は、里帰り出産から職場復帰後の保育園の送り迎え・子どもを預かってもらうなど、不満はなく、「世話になっている」「助かっている」という人が多数派ではないでしょうか。

 

しかし、今回、実母と日常的に交流できる距離に住んでいる人や、里帰り出産したママたちに話を聞いてみたところ、もちろん「感謝しかない!」という声も多かったですが、こんなコメントも返ってきました。

 

「夫が出張が多い仕事なので、出産後退院してから2週間ほど実家に滞在しました。実母が張り切ってくれるのはありがたいのですが、なんだかしだいに違和感が…。どうも私は、赤ちゃんが先に泣いたとき、母がまず私にどうするか聞かずに、母の判断で抱き上げたりあやしたりしてしまうのに腹を立てていたんです。今思うと笑えるのですが、その時は、母にわが子をとられるような気になって夜中に泣いたりしていました」(Wさん・29歳・2歳児のママ)

 

SNSなどでは、産後、ホルモンバランスの変化などの理由から、自分以外が赤ちゃんに触れたり何かしようとすると、それがたとえ愛情込めたお世話であっても「触らないで!」と感情的になってしまう時期をさして「ガルガル期」などということがあります。

 

義母や友人相手なら内心そう思っていても理性でこらえることができそうですが、実母には遠慮がないぶん本能のままに反応してしまうのかもしれませんね。

 

口出し・ダメ出し・干渉…やめて!

Yさん(33歳・1歳児のママ)は、実母の育児方針が自分と合わずに苦労しているといいます。

 

「母が私やきょうだいを産んだ当時と今では、母子手帳の内容も変わり、日光浴や果汁などは特に推奨されなくなったの!と、何回も言ってるのですが…脳内に刷り込まれてるのでしょうか、家に来るときいつもベビー果汁を持ってきて、ほら、早く飲ませなさいよって。抱き癖がつくからすぐに抱いちゃダメっていうのも、今は否定されてますよね?いいかげん今の時代に合わせてほしいです」

 

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何人も立派に育てあげた!という人ほど過去の自分の育児に自信があり、娘にもよかれと思ってそれを押しつけてしまうのかもしれません。

 

育児の相談をしたいとき、実家の母や姉に電話するという人は多いと思いますが、相談したのに余計に落ち込んでしまった…という体験も。

 

「息子は内弁慶なタイプで、外でも実家でも比較的おとなしいんですよ。でも、外でガマンしたことが私と2人の時に爆発して、ちょっとした理由で泣き叫んだり暴れたり…でも、母に話したら、そのくらいぜんぜん大丈夫じゃない、あなたも大変だったわよーって。たいしたことじゃないと安心させてくれようとしているのかもしれませんが、私は、大変さを否定しないでほしかったです」(Dさん・31歳・5歳児のママ)

 

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ママと小さな子どもからおばあちゃんとママの関係に変わっても、やはり共感的に話を聞くことはずっと大切だと言えるでしょう。

 

ママたちの話に登場する実母は、愛情からよかれと思ってアドバイスしたり世話を焼いたりしてくれていますが、それでもちょっとした育児方針や世代間ギャップで違和感を覚えてしまうことはあります。

 

ですが、最後に話を聞かせてくれたNさん(32歳・3歳児のママ)の実母はどうやらそうではなく、いわゆる「毒親」だそう。

 

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「子どもの頃から、兄と比べて私を悪く言うのがストレス解消のような母でした。家事は私に手伝わせ、就職後もそのために家を出るのを許さなかったんです。半ば無理矢理に結婚して家を出て、やっと距離を置けたと思ったのに、出産後に子どもの顔だけでも見せようと仏心を出して会いに行ったおかげで、それから毎日のように電話攻撃です」

 

電話の内容は、孫の育児や教育に対する干渉でした。

 

「耳が柔らかいうちに英語を習わせないとダメだとか、くせ毛だから1回丸刈りにしろとか、レトルトの離乳食は味覚が育たないとか…もう私は自分の家庭を持って夫婦でいろいろ決めているのだから、本当に干渉しないでほしいんです」

 

Nさんは夫にも相談し、「子どもの昼寝もあるので連絡はメールやメッセージアプリにしてほしい」と夫婦揃って実母に頼んだそう。

 

それが功を奏したのか、他に関心が向いたのか、いまは週に1回メールが届く程度に落ち着いたといいます。

 

おわりに

今回は、実母と育児をめぐってモヤモヤしているママたちの声を取り上げました。

 

とはいえ、アンケートでは、娘と孫のために犠牲とも思わずにこころよくサポートしてくれる実母には頭が上がらない、感謝しているというママがやはり多数派でした。

 

また「親を早くに亡くし、私には頼る実母はいません。ケンカしながらでも一緒に子育てできる人はうらやましいです」と話すママもいて考えさせられました。

 

育児という特にプライベートなことがらだけに、時には母娘でぶつかり合ってしまうこともあるかもしれません。

 

お互いがどこまで許容できるのか、ゆずれない線はどこなのか、見極めながら、ベストな母娘のバランスを見つけていきたいですね。

 

文/高谷みえこ