母親がいなくても保育ができる社会に

産後に仕事復帰しても、保育園に入れたらあとは安泰…とはいきません。これはもう子育て中のママ・パパなら身を持って日々理解していることでしょう。対馬ルリ子先生も次のように述べています。

 

「毎日の送り迎え、登園準備、保育士さんとの連携、他の保護者との人間関係も発生しますよね。当然、体力も気力も必要になってきます。そこに、育児に理解のない職場や夫の協力不足などが重なると、ママが抱える負担やストレスは増大します。

 

共働き家庭は今後も増えていくでしょう。それならば、母親の存在がなくても、保育がきちんとできる制度・仕組みを社会が用意することが重要な課題ではないでしょうか」

 

 

産前産後の体がどう変わるのかはケース・バイ・ケース。誰にも選びようがありません。その事実を周囲の皆が理解・共有していくこともまた、「働きやすい社会」への第一歩にきっとなるはずです。

 

次回は、育児と仕事の両立の難しさについて、私たちの切実な声を踏まえて、個々人の立場でできることについてキャリコンサルタントの朝生容子さんにお聞きします。

 

 

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PROFILE 対馬ルリ子さん

医療法人社団ウィミンズ・ウェルネス理事長、対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座・新宿理事長/1984年に東京大学医学部産婦人科学教室入局。都立墨東病院総合周産期センター産婦人科医長、女性のための生涯医療センターViVi初代所長を経て、2002年にウィミンズ・ウェルネス銀座クリニックを開院。03年に女性の心と体、社会とのかかわりを総合的にとらえ女性の生涯にわたる健康を推進するNPO法人「女性医療ネットワーク」を設立、 全国約600名の医師、医療保健関係者と連携し、さまざまな啓発活動や政策提言を行っている。

 

文/阿部 花恵 イラスト/えなみかなお

©CHANTO調べ 調査期間:2020年9月18日~2020年9月22日 調査対象:0~22歳の子どもがいるCHANTOモニター89人