『モジャ公』(藤子・F・不二雄著/小学館)
山内さんの次のオススメマンガは、地球人の少年・空夫と地球外生命体のモジャラ、ロボットのドンモのトリオが、共に宇宙のさまざまな星の旅へ出るお話『モジャ公』です。
「『不老不死』の生命体がいる星など、我々の『あたり前』が覆されるような展開満載でドキドキします。あと、3人(?)の誰かがピンチに陥っても、残りの2人が知恵を絞って助けようとするところに、不器用だけれど温かい友情の良さを感じられます。もちろん大人でも、未来を予見するような内容やブラックユーモアに引き込まれること間違いなしの作品です!」
『月曜日の友達』(阿部共実著/小学館 )
最後に紹介する『月曜日の友達』は、中学生の男女が主人公。思春期の心の変化を繊細に描いている作品です。異性を認識することへの戸惑い、大人と子どもの間で揺れ動く不安や、前を向こうとする気持ちが丁寧に描かれています。
「思春期に入るタイミングは個人差、男女差がありますよね。早い子にとっては、遅い子の気持ちを昔の自分を投影しながら思いやることができますし、遅い子にとっては未知の感情を受け入れる心構えができます。親御さんにとっても、小学校高学年〜中学生という多感な時期を、過去の自分を思い出しながら、お子さんの気持ちを汲み取れる作品に仕上がっていますよ」
今回、山内さんがあげたマンガはどれも、切り口や対象年齢はことなるものの、「多様な価値観」を認めることについて描かれている作品。友達の気持ちを少しでも考えてみると、そこから素敵な関係は生まれるのかもしれません。
PROFILE 山内康裕
文/立岡美佐子