「どんな子になってほしいか」は夫婦で一致している
勉強や習い事が「できるようになること」を応援し、ときには娘たちに厳しく接する妻は、一般的な価値観である「勝つこと」「できること」を示し続ける母親です。一方、高橋さんは時には娘に甘く、慰め、「負けていい」「失敗していい」ことを示して娘さんたちの価値観を広げていきます。
子育てで「フォーカスする」部分は夫婦で違ってもいい
「僕と妻は娘の教育について考え方が正反対のように見えて、根本的な部分では一致しているんです。それは娘たちに負けたり、失敗してもいいからやってみる強さもってほしいということです。妻はその先にある『成長』にフォーカスしているし、僕は『やってみる強さをいかに持つか』にフォーカスしている。根本が一致しているからこそ、バランスが取れるのだと思います」
溺愛し過ぎて子どもに怒られるパパ…
妻を「厳しい」という高橋さんですが、それは実は高橋さんの娘さんの溺愛ぶりと表裏一体です。先日こんなことがあったそうです。
「この前、長女が絵がうまく描けなかったと泣いていたんです。妹にプレゼントするつもりの絵を失敗してひどく落ち込んでいました。それで僕は『すっげー、かわいいじゃん。すごくいいよ』と一生懸命に慰めたんですが、娘に『どうせパパは私のことが好きだから、失敗しても絵がかわいく見えちゃってるだけなんだよ。これはかわいくないんだよ』と怒られました」
娘さんは高橋さんから溺愛されているのをわかっているからこそ、安心してパパに怒りをぶつけ、落ち込んだり泣いたりしても、また元気になれるのでしょう。高橋さん夫妻のバランス、ちょうどよいのでしょうね。
PROFILE 高橋晋平さん
株式会社ウサギ代表取締役/おもちゃクリエーター 2004年株式会社バンダイに入社し、国内外で大ヒットした「∞(むげん)プチプチ」など、50点以上の新規玩具の企画開発に携わる。現在はおもちゃ・ゲームなどの遊び系事業を各種企業と共同開発している。また、アイデア発想に関する講座を全国各地やオンラインで多数実施。著書も多数。Twitter:https://twitter.com/simpeiidea
文/長根典子