声優そして作家として活躍するあさのますみさんが、猫4匹&鳥2匹との暮らしを綴ったエッセイ『日々猫だらけ ときどき小鳥』。CHANTO WEBでは、著者のあさのさんと帯コメントを書かれた作家の宮下奈都さん(本屋大賞作『羊と鋼の森』など)のスペシャルインタビューをお届け! 旦那さんのこと、家族のこと、本を書くことについてたっぷりと語っていただきました。
—— ここまでお話で、あさのさんの作品が大好きという宮下さんの気持ちが伝わってきました。
あさのさん
私も宮下さんの作品にすごく励まされています。「自分のテンポでいいんだ」と安心させてくれるところがすごく好きです。
宮下さん
自分のテンポと言いながら、猫のために車の免許を取るとか、あさのさんは誰かのために動く印象が強い気がします。
あさのさん
免許を取ったはいいのですが、あまり向いていなかったみたいです。納車2週間で自宅の駐車場の壁を凹ませてJAFに来てもらうことになっちゃって。しかも、ちょうど1時間後に美容院の予約を入れていて、キャンセルもできず、結局原稿の締め切りに追われている夫を呼び出して、立ち会ってもらいました。自分のテンポがこんなところに出ている(笑)。
宮下さん
旦那さんは漫画家さんだから、締め切りに追われているときの立ち会いは大変! でも怒らなそう……。
あさのさん
菩薩みたいな人なんです、本当に。そのときも、私は美容院で髪をトリートメントしてツヤツヤ、でも夫は翌朝まで原稿やってましたから。私が立ち会わせなければ、徹夜することなかったかもしれないのに。夫といえば、宮下さんの旦那さんも寛大な印象があります。
宮下さん
たしかに寛大ですね。ただ、子どもたちからは「すごく仲がいいけれど、人間ってこんなに分かり合えないものなんだね」と言われたくらい、物事のとらえ方が違う夫婦なんです。なのに、仲が良いという。多分、相性がいいんだと思います。