2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として、全国的に小学生も休校が続いている状況です。

 

登下校や体育の授業・外遊びが減った結果、いま全国のママの胸に浮かび上がってくるのが「なんだかうちの子、ふっくらしてきた…?!」という疑惑。

 

そこで今回は、休校にともなう運動不足と、その結果起こるかもしれない子どもの肥満について対策を考えていきます。

 

ママたちの嘆き「運動不足なのに」

小学校4年生と1年生のお子さんがいるTさん(39歳)は、会社のリモートワーク制度を利用して、週に1日だけ出勤を続け、残りの4日は自宅で子どもたちと過ごしています。

 

「やっぱり家で過ごす時間が多く、子どもたちの運動不足を感じています。家の中でもきょうだいで遊んではいるものの、マンションなので階下への騒音も気になります。外で遊ぶにも、私も仕事があるのでなかなかまとまった時間連れて出るのが難しいんです」

 

最近、なんとなく子どもたちの顔が丸くなってきたような…と嘆くTさん。

 

「感染を防ぐためなのでやむを得ませんが、ヒマだと口さみしくなるのが人の常ですよね。すぐに”ごはんまだ?””おやつ食べたい”と声をかけてきます。実は私もついおやつに手が伸びて、体重増加気味です」

 

Kさん(35歳・3年生の男の子のママ)は、パートの出勤日が減り、自宅にいる日が増えました。

 

「近所の公園で遊んでくる、といって出かけたのですが、通りすがりの人に家に帰れと叱られたそうで帰ってきました。学校では外遊びは禁止されていないし、広いスペースにうちの子を含め3人しかいなかったそうなので、感染するような状況ではないと思うのですが…」

 

現在、多くの自治体では、子どもの気分転換と体力維持のため、一定の距離が取れる場所での運動は禁じていません。

 

文部科学省のホームぺージにも、以下のようなQ&Aが掲載されています。

 

問3 臨時休業期間や春季休業期間中、子供たちの運動不足が心配ですが、どうしたら良いでしょうか。 A 子供たちの運動不足やストレスを解消するために運動の機会を確保することも大切であると考えており、日常的な運動や遊び(ジョギング、散歩、縄跳びやブランコ、滑り台など)を安全な環境の下で行っていただきたいと考えます。  ただし、一度に大人数が集まって人が密集する運動や遊びとならないよう、感染拡大を防止する観点からの配慮が必要です。

低学年の子どもの交通安全や不審者対策などはまた別の問題ですが、広い場所で遊ぶことが可能であれば、学校から指定された自宅学習時間以外はできるだけ毎日一定時間は体を動かして遊ばせてあげたいですね。

 

できるだけ「太らない食事」どうすればいい?

子どもの肥満度は、(実測体重-標準体重)÷ 標準体重×100(%)で表されます。

 

幼児では、この数字が15%以上になると「太りぎみ」、20%以上は「やや太りすぎ」、30%以上は「太りすぎ」とされており、小学生は肥満度20%以上で「軽度肥満」、30%以上を「中等度肥満」、50%以上を「高度肥満」といいます。

 

医学的には肥満ではないのに、見た目が心配だからといって、成長期の子どもに無理な食事制限やダイエットをさせるのは避けたいもの。

 

必要な栄養をきちんと摂りつつ、脂肪分や糖分・カロリーなどを適正な量におさえるためのコツを、料理が得意なママに聞いてみました。

 

「お肉はできるだけ、低脂肪高たんぱくの”鶏ムネ肉”を選んでます。パサパサするから子どもやパパが嫌がる…という声も聞きますが、塩こうじや、おろししょうがとみりん・醤油などのタレに漬け込んでから、薄く片栗粉をまぶしてソテーしたり煮物に入れたりすると、プリプリでおいしく食べられますよ」(Sさん・40歳・中1と5年生と2年生のママ)

 

「サバ缶は色々使えて本当に便利です!白菜や大根などの野菜と和風だしで煮てもおいしいし、にんじん・タマネギ・マッシュルームとトマトソース煮も意外と合いますよ。いつもストックしています」(Mさん・35歳・4年生と2年生のママ)

 

「そんなに手の込んだ料理は作れないのですが、だし、しょうゆ、お酢、味噌など、調味料だけはいいものを使っています。だしがおいしいと薄味でも満足できるので、味を濃くしてムダにごはんがすすむ…ということもありません」(Aさん・33歳・6歳児のママ)

 

とはいえ、出勤しなければならない人はもちろん、リモートワーク・テレワークでも、仕事をしながら3食とも手作りするのは至難の業。

 

おやつまで手作りしていたら「時間がいくらあってもたりない!」と思うのは当然でしょう。

 

夕食だけはバランスのいい献立にしたら朝や昼は冷凍食品や簡単な1品メニューとおやつは果物で済ませる、食材宅配など利用できるものは利用するなど、大人が疲れてしまわないようにしたいですね。

 

毎日少しずつでも体を動かすには

現在は、野球やサッカーなどスポ少(スポーツ少年団)の活動や、スイミング・バレエなどの習いごとも、多くは感染防止のためにお休みとなっています。

 

「バドミントン部の長男は、部活はないのですが腕が落ちると困るからと自主的に筋トレや練習をしていますが、次男はゲームの方が楽しいみたいで体を動かそうとしません。縄跳びしよう!などと声をかけてはみるのですが、今はイヤだーばかりで…何かいい方法ないでしょうか」(Iさん・39歳・中1と小3のママ)

 

「週末は、パパが広い河川敷に連れて行って走ったりスポーツカイト(たこあげ)で遊ばせるようにしていますが、平日は私も仕事がありなかなか…。本当にささやかなのですが、マンションの5階の自宅まで、エレベーターをやめて外階段を上がるようにしています」(Hさん・32歳・5歳児と2歳児のママ)

 

このほか、スポーツ庁が公開している「子供の運動あそび応援サイト」にも、親子でできる体を動かす遊びや、日本サッカー協会の提供しているプロサッカー選手たちのレッスン動画などの情報がまとまっています。

 

『子供の運動あそび応援サイト:スポーツ庁』

おわりに

著者にも休校中の娘たちがいますが、最近撮った写真を見ていると、やはり「休校前よりあごのラインが丸いような気が…」と思えてきました。

 

ここ数年使っていなかった、体を動かして遊べるゲームソフトを久しぶりに引っ張り出してこようかと思案中です(笑)。

 

文/高谷みえこ

参考/日本小児内分泌学会「肥満」 http://jspe.umin.jp/public/himan.html

文部科学省「学校臨時休業・春休みに関するQ&A (子供たち、保護者、一般の方へ)」https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00517.html#q3