医療費削減を目指し、2017年から新たに導入された「セルフメディケーション税制」。実は、私たちの家計にも優しい制度なのですが、まだまだ広く浸透しているとは言えないのが現状です。活用と注意点について詳しく解説します。

「セルフメディケーション」ってどんな制度?

 

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WHOによれば、セルフメディケーションは「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義される健康維持活動のひとつです。 具体的には、軽い風邪や打撲、頭痛などは、病院へ行かずに市販薬などで対処することが挙げられます。 現在、厚生労働省はこのような「セルフメディケーション」を強く推奨しており、その一環として2017年からスタートしたのがセルフメディケーション税制です。 年間を通して、1世帯で一定以上の市販薬を購入した場合、その費用について所得控除を受けることができるというこの制度。 従来から行われてきた医療費控除は、医療費の総額が10万円以上に達しないと適応されなかったのに対し、セルフメディケーション税制では「市販薬の購入総額が1万2000円を越えれば」申請することができます。 申請のハードルはグッと下がったと言えるでしょう。さらに現在は、控除の申請に必要な確定申告もネットで簡単にできるようになっていますので、手軽に還付金を手にすることができるのです。

 

 

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