いよいよ本格的な花粉症のシーズン目前…外出や日常生活が困難になるほどの「重症の花粉症」に悩まされている人に朗報が! 重症な気管支喘息などに用いられてきた「ゾレア®」と呼ばれる薬が、重度な花粉症に対しても追加適応が承認されたのです。「ゾレア®」について詳しく解説します。

 

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花粉症はなぜ起きる?

「花粉症」とは、特定の植物の花粉に対してアレルギーを引き起こすことによって発症する病気です。 特に日本では春になると広範囲にわたって飛散するスギ花粉にアレルギーを持つケースが多く、毎年3~4月頃をピークに、辛い症状に悩まされている患者がたくさんいます。 発症者は年々増えているとのことで、これまで症状が一切なかったという人も、ある日突然発症する可能性はあります。

引用:環境省「花粉症環境保護マニュアル」

花粉症は、目や鼻、口から侵入した特定の花粉により、身体の免疫作用が過剰に働くことによって引き起こされます。 体内に花粉が入り込むと、血液中の「リンパ球」が敏感に感知して「IgE」という抗体を生成し、鼻の粘膜などに存在する「肥満細胞」の表面にくっつきます。 そして再び花粉が侵入すると「ヒスタミン」や「ロイコトリエン」などと呼ばれる、アレルギー症状を引き起こす物質を盛んに産生するようになります。その結果、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの辛い症状が現れるのです。 つまり、花粉症は「花粉→リンパ球→IgE抗体→肥満細胞→ヒスタミンやロイコトリエン」という一連の流れで引き起こされる、生体反応の一種と言えます。

 

引用:協和きりん「花粉症ナビ」