CHNATO世代では、お子さんがまだ保育園に通っているというママ・パパも多いことでしょう。
「小学校もまだなのに、中学校のことなんて」と思ってしまいそうですが、もし中学校受験をするのであれば、4年生頃から塾やスクールに通い始める子もいます。
今回は、受験にまつわる「よく分からないコトバ」のうち、「併願校」について解説します。
中学校受験の「併願校」とは
「本命校」はその名のとおり一番入学したい中学校です。第一志望校ともいい、これはあまり迷う子も親もいないと思います。
しかし、本命1校だけを受験し不合格なら地元の公立中学へ…というケースは、地方ではある程度存在しますが、都市部、とくに首都圏ではかなり少ないのではないでしょうか。
この場合、本命以外に受験する中学校のことを「併願校」と呼びます。
データによると、本命校に確実に合格できるのは、人気校や難関校では上位20~30%の子だけで、それ以外の80%近い子どもたちは第2志望以下の学校に通う可能性が十分あることになります。
併願校に実際に通うとなれば、選び方はじっくり慎重にならざるを得ないですよね。
併願校決定までのスケジュールは?
中学校受験では私立中学・国立大学附属中学・公立中高一貫校などがありますが、入試は多くが小学校6年生の3学期(1月~2月)に行われます。
「出願」は願書を郵送または持参することで、最近はインターネットで行う学校も増えていますが、時期は12月から1月ということがほとんど。
紙で出願する中学校では、10月頃の学校説明会で願書を配布するところもあるので、どの中学校を併願校で受けるかは小6の9月頃に決めておくのが理想的といわれます。
また、各校の過去問題を解いて対策を立てる時間を本番から逆算すると、やはり併願校は9月~10月頃に決まっている方が安心。
とはいえ、まだ秋から成績が伸びる可能性も考えるとなかなか絞り込めないのが実情でもあります。
せめて、1学期から夏にかけて学校説明会や学校見学・運動会などに足を運び、いざ出願前になって最終決定のために比較検討する時、どんな特色があるのか、校風は合うのかなどイメージがわきやすいようにしておくといいですね。
併願校選びで失敗しないための注意点
実は、「併願校をどう選び組み立てるかが中学校受験成功のカギ」といわれるほど、選び方や受け方はとても重要です。
先輩ママ・パパからは「失敗しないためには、こんな点に気をつけて」というアドバイスが寄せられています。
「首都圏では、うちの子の時は、2月の最初に3日間連続で入試が続き、受けた日の夜にすぐ合否がわかるシステムでした。本命の中学の試験日は2日目だったので、それ以外の日も同じくらいのレベルの中学校ばかり受験しようとしていたのですが、塾の先生から、初日は確実に合格できる中学を受け、安心して本命にのぞみましょうというアドバイスが。たしかに、1日目の合格がわかった瞬間、明らかに娘の表情に余裕が出て、2日目もいい精神状態で受験できたようでした」(Yさん・42歳・中3の女の子のパパ)
「本命校が初受験という状況には極力しないことをおすすめします!緊張して実力が発揮できない可能性があります」というのはFさん(38歳・中1の男の子のママ)。
「本命の中学校の試験日前に、隣県など、やや離れた併願校の試験がいくつかありましたが、前日と前々日はちょっといいなと思う中学でも無理に受けに行きませんでした。疲れた状態で試験にのぞむのはよくないと思ったので」(Nさん・40歳・中2の男の子のママ)
「娘の場合、一番行きたい中学校に合格できるかどうかは五分五分というところでした。ところが、安全校の中で一番いいなと思っている中学と入試の日が重なってしまい…。そこで、両方に願書を出し、前の日の併願校が合格していればチャレンジ校、不合格なら安全校と直前に決める”ダブル出願”パターンに」(Eさん・45歳・中1の女の子のママ)
はじめての中学受験では「塾の懇談で併願校を決定しますので、親子で話し合ってきてください」といわれても、参考になる材料がなく見当がつかないことがあるかもしれません。
そんな場合は、大手の塾や予備校が出版している情報誌を書店などで購入すると、本命校に合わせた「併願パターン」が掲載されていることがあります。
そのほか、塾主催の模試を受けた時などに案内される会員制サイトに登録すれば、志望校入力で自動的におすすめの併願校や入試日程などを表示してくれるサービスなどもあるので、併願校選びの参考にすると良いですね。
おわりに
今回は、「まだ中学校受験は先だけど…併願校ってどんな意味?」という人のため、ざっくりと意味やスケジュール・選び方などについて解説しました。
中学校受験の併願校、結局どのようなスケジュールを組むのがベストなのか?という問いにたは「居住地や学力・本人の性格などで1人1人異なる」というのが答えのようです。
忙しい働くママ・パパ、信用できる塾にお任せ…というのも1つの方法ですが、お子さんの希望にはしっかり耳を傾けて、納得のいく決定ができるといいですね。
文/高谷みえこ