デリケートゾーンは大切な身体の一部、女性のセクシュアリティにおいてもとても重要な部分です。 にもかかわらず「恥ずかしくて見たことがない」という人も多いのではないでしょうか?  でもそれでは、加齢による変化にも気づけません。自分の身体のことだから、見て触れてケアする習慣をつけましょう。 女性泌尿器科専門医であり女性の性機能改善にも力を注ぐ、関口由紀先生に「正しい膣ケア」について教えていただきました。

 

<取材協力 >関口由紀先生
女性泌尿器科専門医、女性医療クリニックLUNAグループ理事長。横浜市立大学医学部泌尿器科客員教授。世界標準の女性医療をめざし、女性医療クリニックLUNAグループを展開。女性泌尿器科、女性内科、婦人科、乳腺外科、美容皮膚科と、幅広い診療科を設けている。女性の性機能、性の悩みも専門とし、FSD(女性性機能障害)外来も開設。

 

外陰部は〝第二の顔〟まずはデリケートゾーンを見よう

 

「35歳くらいまでの顔や身体の皮膚は、簡単なケアでも美しく保てますよね。

でも、それ以上の年齢になると潤いがなくなり、ていねいな保湿が必要になる。それと同じで、デリケートゾーンにも正しいケアが必要になってきます。

現代を生きる女性にとって、外陰部は〝第二の顔〟といってもいい存在。毎日の洗浄と保湿によるアンチエイジングは必須です」と、関口先生。 

 

女性器は大きく分けて、「外陰部」と「膣」でできています。外側のヒダの部分が外陰部。ここは体表と同じ皮膚の一部です。 そして、子宮につながる内側の粘膜部分が膣。粘膜で構成されたデリケートな部分です。腟口に指を入れてみると、皮膚と粘膜の違いがよくわかります。 人さし指を入れたとき、第2関節くらいまではまだ外陰部。それより奥が膣で、長さはおよそ78cmほどあります。 正しいケア方法を知るには、まずデリケートゾーンの構造を知ることから。鏡をもって、イラストとあわせて見てみてみましょう。 

 

▲外側の大きなヒダが「大陰唇」、内側の小さめのヒダが「小陰唇」。上部には尿道口があり、さらにその上には性的快感につながる「クリトリス(陰核)」がある。いちばん中央にあるのが膣の入口である「腟口」で、直径は2~3cmほど。

 

自分の外陰部を見た印象は、どうでしたか? 体のつくりはひとりひとり違いで、顔と同じく個性があるもの。イラストどおりでなくても心配いりません。 「身体の一部をちゃんと見て、知る」こと、そこからケアを始めることがいちばん大切です。