仕事の進め方見直し 企業にとってメリットも

花王・人財開発部門D&I推進部の荒川真理子さん

──企業として、子育て支援、特に男性の育児参画に力を入れるメリットというのは感じますか?

 

荒川さん

日用品メーカーなので、自身の生活や経験は仕事にも活きるものと感じています。また、社員のみなさんが育児に主体的に取り組むことで、仕事の進め方を見直す機会になると考えています。

 

優先順位を意識したり、メンバーとのコミュニケーションを多くとるようになったり、何かあった場合も円滑に仕事を進められるようなタスクの可視化や体制の見直しを行ったりすることにつながり、仕事にも良い影響があるのではないでしょうか。

 

──時間単位の有休が広まらない背景のひとつとして、「数時間ずつの休みを取られると、業務の効率化を損なう」といった意見もあるようなのですが、導入した企業としてはどう感じますか?

 

荒川さん

規定人数で必ず行わなくてはいけない業務など、時間単位の休暇の使用が難しい場合もあるかもしれませんが、そういった職場は限定的だと思っています。

 

効率や業績への影響の細かい部分まで分析はできませんので確かなことは言えませんが、取得している社員からは、より効率的に、メリハリをつけて働くことを意識するようになった、との話も聞いています。そう考えると、生産性はむしろよくなると言ってもいいのではないでしょうか。

 

 

働き方の選択肢が増えることで、より協力して育児に取り組みやすくなりそうです。

 

「時間単位の有休取得で変わった父親意識のリアル」では、時間単位の有休をはじめとする制度を使いながら子育てをしている花王の男性社員2人に、制度を使うようになったきっかけや周囲の反応などについて聞きました!

 

取材・文/小西和香 写真/小林キユウ