「セックスレスは離婚理由とになる」なんて聞くと、「自分たちはどうだろうか」と不安になってしまいますよね。でもなかには「しなくてもいい」と考えて平和に過ごしている夫婦だっていらっしゃいます。 「セックスレス」は、なにがなんでも避けなければいけない事態なのでしょうか? 筆者はそうは思いません。お互いが満足していればよいと思うのです。心理的な観点からアドバイスします。

 

大切なのは「期間の長さ」ではありません


 

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筆者のもとには「ネットを見て、自分が〝セックスレスに該当する〟と知って…」と、来談される方がいらっしゃいます。ただ、よくよく話を聞いてみると、夫婦ともに「特に回数に不満は感じていない」というケースがあるのです。

 

「日本性科学会」による〝セックスレス〟の定義は、「特別な事情がないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシュアル・コンタクトが1か月以上ないこと」とされています。しかし筆者は、期間の長さの問題ではないと考えています。 たとえ性交渉の無い期間が1週間であっても、どちらかが「足りない」と強く感じていれば「セックスレス」に該当するでしょう。逆に言えば、1年に1回以下だったとしても、お互いが満足していれば「セックスレス」には該当しません。

 

心の病の多くは「その症状によって日常・社会生活に問題が生じている」場合に、病名がつきます。セックスレスは病名ではないものの、考え方は同じで「困っていない」のであれば「問題」ではありません。 世間の「基準」にあてはめて不安にならなくても大丈夫。問題がないにもかかわらず「〝セックスレス〟だからどうしよう…」なんて思ってしまっては、本末転倒です。