—— 俳優としての山崎さんはいかがでしたか?
篠原監督
山崎さんの場合は、彼自身がそこに存在して、真壁修一という人物が乗り移る。彼の持っているもので登場人物が成り立つというところに、彼の存在の特別なところがあると思っています。
横山さん
すごくよかったですよね、佇まいとか。
篠原監督
久子役の尾野真千子さんや、啓二役の北村匠海さんが、山崎さんのお芝居を引き出していくような印象を受けましたね。
—— 修一のお母さん役の大竹しのぶさんはいかがでしたか?
篠原監督
大竹さんは山崎さんの大ファンということで、この作品を引き受けてくれました。撮影場所のスタジオで一緒にワインを飲む機会があったのですが、とにかく山崎愛が強かったですね(笑)
横山さん
北村さんとのシーンは、すごく迫力がありましたよね。
—— 感情を爆発させるシーンがとても印象的でした。
篠原監督
私自身、作中の母親が息子に抱く感情は正直言ってわからないところがあります。偶然ですが、近くに主人公の母親のような感情を抱いている方がいたこともあり、「一歩間違えれば、人にはそういう行動を引き起こす可能性はあるのかも」と感じました。母親が感情を爆発させるシーンの撮影は、大竹さんとその場でいろいろと話しながら、あの表現に行き着きました。