■避けていた「出世の道」を貪欲に追求(恵子さん/35/会社員)

iStock.com/tdub303

長年勤めていた大手広告代理店から独立して「フリーのデザイナーになりたい」と旦那が言い出したときには、心底驚きました。独身時代ならまだしも、いまは2人の子どもを養う一家の大黒柱です。正気の沙汰とは思えませんでした。 でも、一度言い出したら絶対に自分の意見を曲げない人。最終的には私が折れるしかなかったんです。独立時にわずかばかりのクライアントを引き継いだとはいえ、当初の収入はサラリーマン時代の4分の1程度。 到底家族を養えるだけのものではありません。加えて、これから収入が増える保証なんてひとつもないんです。「私がしっかりしなければ!」それがそのときに感じた素直な思い。それから私は旦那の代わりに「一家の大黒柱になる」と決意を固めました。 いままで避けていた出世への道を貪欲に追い求め、収入アップのための社内資格取得も積極的参加。同僚や上司は驚いているようですが、「私という柱が倒れれば家族も倒れる」とがわかっているので、決して折れることは許されないんです。