■俺の方が疲れちゃうよ(美沙子さん/34歳/コンシェルジュ)

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昼前にお腹に痛みを感じ、上の子を実家の母に預けてひとりで病院へと向かいました。ベッドの上で心細い思いをしているところへ、旦那が到着。ホテルのイタリアンシェフをしている旦那は、忙しい厨房に頭を下げ、わざわざかけつけて来てくれたんです。

ちょうど到着したころ、お腹の痛みが激しさを増してきて。うなる私を見て旦那は大慌て。1人目のときはどうしても仕事が抜けられず、立ち合い出産はこれが初めてです。

「どうなんですか!?」と食い入るように聞きますが、助産師は「子宮口がまだ5㎝ですからこれからですね」と涼しい顔。するとさっきまで、私の腰を必死でさすっていた手が止まり「あ、まだまだなんですね…」と明らかに拍子抜けした様子。

その後も傍について腰をなでていてくれたものの、数十分後には「まだかな? このままじゃ、俺の黄金の右手が疲労骨折するかも」などと、疲れたアピールまでする始末。来てくれたことへの感謝よりも、子どものような振る舞いの旦那に対する心労のほうが上回ったのでした。